このコーナーでは、かきくブラザーズのメンバーから皆さんへ、お薦めのアルバムや曲をご紹介します。
あくまで個人的趣味、独断と偏見に基づくお薦めですので、皆さんが気に入られるか否かにつきましては責任を負いかねます^^
その点は、何卒ご容赦ください(笑)
「all I need is live “未だに引っ張り出して聞き続ける4枚”」 by かきくのく
ライブ音源はたくさんありますが特に思い入れの強い4枚を紹介します
①
「4 Way Street」 by CSN&Y
最初に買ったライブアルバムでかつリアルタイムに買ったアルバム。ものすごく思いれがあり繰り返し聞いてきた。2枚組LPで1枚目はすべてアコーステイックセットで2枚目がエレクトロニクスクスセットという構成がそもそも新鮮であった。彼らの1970年頃のライブはこういう構成であったのだろう。またCSN、CSN&Y、C&Nといった柔軟な組み合わせやそれぞれがソロで演奏する構成もあり、やはりこのバンドはバンドというよりユニットもしくはプロジェクトのようなゆるい組み合わせだったのだろう。その後の集合離散の繰り返しも当然か・・
アコーステイックセットはどれも素晴らしいがまず何と言ってもこの頃はピックアップマイクを使用せずマイク録りのためマーチンD45のアコギの音が実に生々しく響く。(ピックアップが普及した後のステイルスのアコギの音はあまりに生音からかけ離れていたので好きではなかったが)
ただ楽曲の方は最後のStills作の“愛への讃歌”が秀逸。変則チューニングの疾走感あふれるギターストロークとステイルスのボーカルとそれにかぶさる3人のハーモニー。この歌は他のライブでは主にエレキセットで演奏するケースが多いが、このアコーステイックセットの方が飛びぬけて素晴らしい。(その後CDになりニールのメドレーも追加され、それはそれでいいのであるが)
エレクトリックセットのほうはかなり荒削りに聞こえる。特に“Carry On”など。ただステイルスとニールの”Southern Man”におけるギターバトルや”Long Time Gone”のクロスビーのボーカルはライブならではの緊張感あふれる演奏で当時の様子がよく伝わってくる。50年近く聴き続け、いまでも時々棚からひっぱりだしてきている。50周年Editionは出ないかな・・
②「情念」 By Dave Mason
D.MASONが初来日した時は1977年頃だったか。大阪厚生年金に見に行った。その時の1曲目がオベイションギター2台による”Every Woman”であったがその時のアコギの音の迫力は今でも鮮明に耳に残っている。ちょうどオベーションギターがはやり始めた頃。この時と同じメンバでリリースされたアルバムがこの情念。トラフィック時代の曲やソロの曲を織り交ぜながら絶頂期のD.MASONがここにいる。どすこいこぶしをきかせて唸るD.MASONのボーカルにマイクフィニガンとジムクリューガのボーカルが重なり(この二人も抜群に歌がうまい)相変わらず3連リフのみのD.Masonのギターも艶やかな音色で迫る。Dylanの”All Along The Watchtower”は色んなアーテイストにカバーされているが個人的にはこのライブバージョンが最も好きだ。ジミヘンもニールもいいのだが。このアルバムも時々聞いては若かりし日々が思い出される。これまた50周年エデイションでないかな? でないだろうな・・
③
「Before The Flood」 By Bob Dylan & The Band
Dylanの数あるライブアルバムの中では断トツのできと断言できる心震えるライブアルバム。まずDylanのヴォーカルが素晴らしい!シャウトし、吠える。おそらく彼のキャリアを通じ最も声が冴えわたっていたころではないだろうか。スタジオアルバムもちょうど「Planet Wave」や「血の轍」の頃である。(第二期絶頂期と勝手に定義しているが・・)特に1曲目の“我が道を行く”で完全にノックアウされ、そのまま怒涛の演奏が続く。またバンドの演奏もDylanのヴォーカルを煽るかのように力強い。バンドのみのセッションも素晴らしく特にR.Manuelのここでの一世一代の“I shall be released”はバンドライブ史上の中でも屈指の出来ではないだろうか。この時期のライブ音源をあつめたDylanのブートレッグシリーズでないかな・・こっちは可能性あるかも・・
④ 「Running On Empty」
by Jackson Brown
純粋にライブアルバムとは呼べないがロードムービ的に色んな場所で録音をしたこのアルバムも
よく聴いた。このアルバムは特に曲が素晴らしい。タイトル曲の“Running on Empty”に始まり、“Love Needs a Heart”,“Rosie”,“Cocaine”,最後は必殺の“Load Out~Stay”という黄金のメドレー。またバックメンバのサポートもいい。デビッドリンドレーのスライドギター、ドラムのラスカンケル、バックコーラスのローズマリバトラーとダグヘイワード等。このメンバで日本にも来てくれましたね。
ジャクソンの歌を聴くとなぜか学生時代のことを思い起こしてしまう。一人暮らしを始めて、夜あまり飲めないウイスキー(当然サントリーの安いホワイト、当時はあまり飲めなかった)とつまみのレタスにマヨネーズをつけてちびちび飲みながら、これらのアルバムをよく聴いていた。ジャクソンの憂いに帯びた声と独特のジャクソン節が心に沁みた。
少し前にデジタルリマスタされたCDがリリースされたが通常であればボーナストラックをつけて少しでも売上稼ごうとするが彼は商売っ気がないというかそういうことをやらない・・誠実な彼の性格なのか。そういえば今はやりのBOXセットや×周年スペシャルエデイション的なものも全くリーリースされませんね・・ファンはずっと待っているのに。とほほ
「激シブおやじシリーズその③:Steve Earl」 by かきくのく
激シブおやじの第三弾はステーブアール。オルタナカントリ界の重鎮である。先の二人の激シブおやじに共通するのは長いキャリアとそのシブい声である。特にステーブアールの声は特に強烈なしゃわがれ声である。ドンヘンリーよりしゃがれており、トムウエイツ程ではないという感じ。シャーデよりしゃがれておりボニータイラー程ではない。日本の歌手で例えると“もんたよしのり”よりしゃわがれているが森進一程ではないという感じでお分かりいただけるでしょうか?(ややしつこい)
コンスタントにアルバムをリリースし続けておりどれも味のあるものばかりであるが、最新のアルバムは昨年リリースされた“GUY”。同じカントリー畑のガイクラークの楽曲ばかりで構成されたカバーアルバムである。もちろんガイクラークのオリジナルも素晴らしいのであるがステーブアールが歌うとまた一味シブさが増す。特にこの中の”Desperados waiting for a train”という曲が私の一押し。一度聞いてみてください。
「激シブおやじその②:トニージョーホワイト」 byかきくのく
激シブおやじの第二弾はトニージョーホワイト。コアなファンもたくさんいると思うが、言わずと知れたスワンプロックの雄。トニージョーを初めて聞いた時のことはなかなか思い出せない。いつ頃だったか、どこだったか、ただ初めて自ら買ったアルバムは”The Train I’m on”であったように記憶している。米国南部サウンドにのめり込んでいった時期なので90年前後のことだろう。南部サウンドにはまったきっかけはmusic magazineの南部サウンド特集があり、そこに色々なアーテイストの紹介があった。デレク&ドミノスや一連のAllmanものは勿論、デラニー&ボニーのライブ、ストーンズの“Beggars Banquet”あたりも紹介されていた。そのあたりを聴きあさっていくとトニージョーに行きあたったわけである。あとPrimly Screamのマッスルショールズ録音“Give out but don’t give up”という長いタイトルのアルバム(もろストーンズサウンドであるが)やBlack Crowsのジャケットがクールな(?)“Amorica”なんかはその時に初めて聞いたが乾いたギターサウンドがとても新鮮であった。
話を戻して彼の声を聴いたとき最初に思ったのは何かエルビスに似ているなというのが第一印象である。エルビスが“ポークサラダアニー”をカバーしていた関係もあったと思う。少しくぐもった声が非常にノリのいいリズム楽器と不思議にミックスし、ああこれがスワンプロックなのかと納得。
ロックシンガーの好き嫌いを判断するポイントに歌のうまさもあるが声の質も極めて重要と感じる。
King Crimsonの“Epitaph”にはGreg Lakeのあの艶のある伸びやかな声が不可欠であり、Deep purpleの“Child in time”にはIan Gilanのあのシャウトが欠かせない。つくづくCharの声がもう少しシブい声だったら申し分なかったににと思う(Charファンすみません)それと同じようにスワンプロックにはトニージョーのこのこもったモコモコ声が最も似合う(と勝手に一人で納得)
その後、必殺の“Rainy Night in Gorgia”には落涙せずには聞けない名昌であり“Dangerous”の少ししゃれたサウンドもまた良い。
残念ながら昨年亡くなった、最後にブルースアルバムを置き土産に。合掌。
「激シブおやじシリーズその①:Dan Penn」 by かきくのく
メジャーなアーテイストもそれはそれでいいのですが、日本ではあまり知られていないミュージシャンで是非聞いておきたい“激シブおやじシリーズ”の第一弾。まずは手始めにDan Pennから始めてみます。
彼の存在を初めて知ったのは今から25年ほど前、ちょうど阪神大震災が起こった頃のことだ。その時私は神戸市に住んでいた。街全体が沈み込み、連日TVで震災の被害状況が報道され、コマーシャルも流れず、FMラジオからはメローで静かな曲のみが流れ、人々の目は虚ろに中を舞っていたと記憶している。その前年にリリースされた“Do Right Man”が沈み込んだ気持ちに寄り添い、心に落ち着きをもたらせてくれた。
彼の太く低い声がまず響く“The dark end of the street”で静かに幕が開く。ずばり人目をはばかる不倫ソングだ。ライクーダ、リンダロンシュタッド、グラムパーソンズ等多くのカバーがあり、どれも素晴らしいがやはりこの本家、激シブおやじ版が秀逸である。メロデイと彼の声が非常にマッチしている。
その後に続く”City like a man”も激シブおやじを地で行くソウルフルな歌唱。
“It tears me up” は激シブ度はますます上がっていく。心震える歌とはこういうことを言うのではないか。この出だしの三連発でノックアウトされた方も多いと思うが、かくいう私もその一人。この歌が私のFavorite songとなった。中盤のDo right woman do right manはアルバムタイトルということでこれまた素晴らしい歌唱だ。彼は低く抑え気味に歌いかえってその抑えた感情が声に伝わり我々の心を揺さぶる。アレサフランクリンのカバーでも有名で彼女の歌も別の色合いで心に刺さるのだが。
アナログ盤だとこの5曲目でA面を裏返し少し深呼吸しB面に入っていく感じでしょうか。是非アナログ盤で持っておきたいレコードの1枚である(残念ながら持っていないが・・)
その後日本にも何度か来日しており去年も盟友スプーナオールダムと来たばかりで熱心なファンを歓喜させた。昨今のコロナウイルス騒動で何かと心が落ち込む時期にまさに彼のような歌で心を癒してほしい。
早いものでグレッグオールマンが亡くなって3年近くになる。アメリカンロック、サザンロックの雄となるとこのオールマンブラザーズで決まりだろう。未だに根強い人気があり先日もあるイベントでオールマンのトリビュートバンドを見た。いい味出していました。
このバンドも色々な変遷をたどってきた。初期のデユアンオールマン中心のブルースロックのうねり。その後デユアンのバイク事故での死、ブッチトラックスも後を追うように亡くなった。その後デイッキーベッツ中心にバンドは続いたが、まもなく解散。80年代はこの手のバンドはことごとく片隅に追いやられた。(リトルフィート、イーグルス、ドウービー皆そうです。打ち込み&シンセ花盛りのロック不毛の時代のせいか)90年代に再結成され「Seven turns」で見事に復活。その後も断続的にアルバムをリリースし、ウーレンヘンズや今や新三大ギタリストとなったデレクトラックスも一時期在籍していました。皆やこの手の音楽をやりたいのだろう・・
その長い歴史の中でどれを1枚に選ぶかというと順当に考えると文句なく「Live at Fillmore East」だろう。でも土佐人は少しひねくれています。その後アルバムの「桃くいねえ」が好みである。理由はいたって簡単、名曲“Melissa”が入っているから。グレッグが亡くなる前のライブアルバムでジャクソンブラウンとのデユエットも秀逸。美しいコード進行と哀愁帯びたグレッグのボーカルが心にしみる。何度繰り返し聞いても心に響くグレッグの歌声はすばらしい。他にももちろん典型的オールマンサウンドの”Ain’t wastin’ time no more”や、クールなインスト曲“Les brers in a mirror”、フィルモアのアウトテイクのライブ演奏等粒ぞろいである。
グレッグが亡くなった今、もうこのメンバでの演奏は聞けないのかと思うと残念でならないが、最近朗報が届いた。グレッグの息子とデイッキーベッツの息子が“オールマンベッツバンド”(安易な名前やな・・とつっこむのはやめとこ)名目でアルバムをリリースした。“あの”音を追求しており確実に彼らのDNAはつながっていると感じた。
ジャンル:Japanese Folk
お薦めポイント:
フォークギターを弾くようになると最初にチャレンジしたくなるのが岡林と拓郎ではないだろうか。
(両方コードが簡単)岡林と拓郎はともに中学の時、友達から教えてもらった。GSのブームが終焉し、歌謡曲にもいまいち関心がなかった頃のことだ。(布施明は好きだったが)ボブデイランや高石ともやに影響を受け歌い始め、“フォークの神様”と祭り上げられ、人気絶頂の時に突然蒸発した岡林。同じくボブディランをこよなく愛し(当時はそういっていたが実はそうでもなくR&Bとかが好きだったという話もあり)、ディラン風楽曲でレコードデビュー(青春の詩)をはたし、ポスト岡林と騒がれながら、“結婚しようよ”の大ヒットでフォークの貴公子と祭り上げられた拓郎。
そのあとの二人の歩みはかなり異なるが、今でも元気に歌い続けている姿に敬服!
そんな二人のセカンドアルバムを取り上げてみた。
1.「見るまえに跳べ」 岡林信康 1970年リリース
”手紙”や“山谷ブルース”等ラジオでちらちら耳にしていたが、本格的にアルバムできいたのはこの2ndアルバムだ。同じクラスの知人は既に何枚か岡林のレコードをもっていた。「これ聞いてみんかえ?ものすごええがやき(と当然この頃は土佐弁)」私「なんか生々しい歌やね、でもよくわからんな、フォーク歌手やのにエレキがいっぱいはいっちゅうがや」 そう、既にこのアルバムには、はっぴえんどがバックをつとめていてロックアルバムだったのです。
「自由への長い旅」、「私たちの望むものは」といったメッセージ色の強い曲、時代を物語る「おまわりさんに捧げる歌」や「性と文化の革命」、美しい佳曲「愛する人へ」「今日をこえて」等、後々まで歌い継がれる曲がちりばめられている。
岡林の伸びやかな声は、その後さらに磨きがかかったように思う。美空ひばりに楽曲を提供した時期もあったようだし、エンヤトットというリズムにたどり着いたという話もある。今年はデビュー50周年とのことで、昔の曲を再収録しなおしたアルバムもリリースしたとのこと。いつまでも頑張って歌い続けてほしいアーテイストの一人。
2.「人間なんて」 吉田拓郎 1971年リリース
拓郎も、同じく中学の同級生から、最近こんなフォークシンガーがでてきたと教えてもらった。(岡林の“見る前に跳べ”から1年後であったとは驚き。もっと時間差があったと勝手に思っていたが)
たしか赤いジャケットの“青春の詩”と、この“人間なんて”を両方聞かせてもらった記憶がある。まずその声が、今までの聞いていた歌手の声の質と随分違うなということと、今ではあまり珍しくなくなったが、とにかく字余りソングのオンパレード。なんか奇妙な歌い方だけど妙に心に残る歌だなと。
1曲目の“人間なんて”のコードストロークがかっこいい(3コードを延々と弾くだけだが)“結婚しようよ”はポップな歌で、その後ヒットはしたものの、どこかディランの影響を感じる楽曲。(“青春の詩”や“イメージの詩”、その後の“春だったね”はもろディラン風だが) もっとも印象に残ったのが3曲目の“雨の日の情景”。この後のライブアルバムにも収録されているが、ギターアンサンブルとコーラスの掛け合いが何ともいえずユニークで、ギターは必死にコピーしたがうまく弾けず挫折した記憶がある。(確かギターは小室等) 同じく、“花嫁になる君に”のスリーフィンガーには参った。なんでこんなに早くきれいにスリーフィンガーが弾けるのか不思議であった。(これも小室等?) またおそらくこのアルバムのベストテイクで、かつ拓郎の生涯ベスト3にはいるであろう“どうしてこんなに悲しいんだろう”は全く今も色あせていない。
数年前、中古レコード屋にこのアルバムがおいてあり、思わず買ってしまった。10代のあの時のあの風景がよみがえる。
By かきくのく
ジャンル:American Rock
お薦めポイント:
1970年代の初め、シンガーソングライターと呼ばれるソロアーテイストのアルバムが立て続けにリリースされた。ウッドストックの狂騒の後で政治的なメッセージを歌うのではなくあくまでも身の回りのことを静かに歌い上げるアーテイストが数多く出てきた。その中でも代表的なアルバムを2枚あげてみる。
王様=Carol King 日本たばこ=James Taylor
1.「つづれおり」by Carol King 1971年リリース
実はこのアルバムを購入したのは大学に入ってからなので、リリースからは5-6年たっていたと記憶している。その頃は神戸で下宿生活をしていたが、東京の友人(K大学から某国営放送局に入社したが、その後音信不通)を訪ねて遊びに行ったとき、渋谷のロック喫茶に流れていたのがこのアルバムだった。渋谷の道玄坂の裏道を入ったなかなかDeepなロック喫茶だった。もちろん“It’s too late”や”You’ve got a friend”は知っていたが、アルバムをとおして聞くのは初めてだった。その時の印象は、全体に落ち着いた曲が多く、じんわりと心に沁みこんでくるアルバムという感じであった。このアルバムジャケットの雰囲気そのものか…に気になった曲が“Way over younder” 。非常にスケールが大きく、ドラマチックな仕立てですごく印象に残った。早速の神戸に帰り、輸入盤を購入した。
(その後、CDも購入したがやはりこのアルバムはアナログLPで聴きたい。)
他にも“So far away”や色んな人がカバー(実は我がバンドもDave Masonバージョンをコピー。そういえばしばらくやっていないな・・)している”Will you love me tomorrow”、アレサフランクリンやロッドスチュアートの名唱で有名な“Natural woman”等、名曲オンパレードである。最近はこのアルバム順にライブで演奏したDVDもリリースされている。ぜひ日本でもやってほしい!Oh Carol!
2.「Mud slide slim」 by James Taylor 1971年リリース
このアルバムはほぼリアルタイムで買ったというか、貰った。当時は高校生であったが、ワーナーブラザーズがLPについているワーナ日本版のオビを5枚集めて送ると1枚タダでもらえるというキャンペーンをやっており、それでゲットした。(小遣い2,000円の時代にものすごく嬉しかった記憶がある)C.KING同様シンガーソンライターの旗手として頭角をあらわし、“Sweet Baby James”のヒットの後にリリースされたアルバムだ。“you’ve got a friend”が挿入されており、まさにほぼ同じ時期にリリースされた“つづれおり”とこの曲でもって密接につながっていると言えるのではないか。アルバムから漂ってくる空気感もよく似ている。“you’ve got a friend”のギターをコピーしようと挑戦したが、JT独特のシンコペーションするフィンガーギターが結構難しく、苦労したのを記憶している。これ以外にも”you can close your eyes”や” long ago and faraway”といった美しいフィガー曲がある。話はそれるが“はっぴいえんど”は“バッフォロースプリングフィールド”に影響を受けたといわれるが、JTのこのあたりの曲を聴きくらべると彼らの代表作“風をあつめて”なんかは明らかにJTの影響を受けていると感じるのは私だけだろうか。
JTのライブは阪神大震災の直後に大阪に来た時に、友人何人かと見に行った。震災でかなり落ち込んでいた時期なので景気づけに見に行こうと目論んだが、JTなので余計に落ち込んで帰ってきた覚えがある。(ライブが悪かったのではないよ JT)
By かきくのく
ジャンル:American Rock
お薦めポイント:
歴史にタラレバはないが仮にビートルズが解散せずにあのままアルバムをリリースを続けていたら“アビーロード”に続くアルバムはこの2枚+ジョージの“オールシングスマストパス”のそれぞれの楽曲から構成された素晴らしいアルバムになっていたことだろう。そんなはかない夢想を胸に次の二枚の思いを語る。
1. 「McCartney」1970年リリース
Beatlesに目覚めた時には“Let It Be”の映画封切られる頃で、既に解散が確定していた。後追いで聞いていくとどうしてもPaulの馴染みやすい曲にまず魅かれた。“Yesterday” “ And I love Her” “Fool on the hill” 等々あげだしたらきりがない。そんな中、Paulのソロがリリースされるということを耳にした。ちょうどビートルズの解散騒動がにぎわっていた頃か・・。未だビートルズのアルバムもすべて聞いていないのに、ポールのソロを購入すべきか大いに迷った。(当時の小遣いは月2,000円なので、毎月どのレコードを買うべきか真剣に選んでいた。従い、はずれレコードを買った時には大いに落ち込んだものだ。例えば、リックウエイクマンの“アーサー王と円卓の騎士”・・・とほほ)
当然、Beatles時代のPaulの楽曲を期待してレコードに針を落とすと・・うーん何か違う。PaulだけどPaulでない。なんか寂寥感ただよう寂しい歌が多い。当然ジョンもジョージもいない。演奏も隙間が多い。後からわかったことだが、すべての演奏をほぼポールが演奏しているとのこと。インストの曲も含まれている。またビートルズ解散前後のごたごたから逃避するため、スコットランドの農場に引きこもり、一人寂しく曲作りをしたとのこと。なるほどとうなずける・・
買った当時は、はずれレコードの1枚に堂々と入っていたが今は違う。ポールの隠れた名盤とも言われている。またすぐれた楽曲も多数含まれている。“JUNK” “Maybe I’m Amazed” ”Teddy boy”等等。ジョンがコーラスをつければよかったのにと思う楽曲がいくつか埋もれている。
そういえば、ポールの1stソロシングルは“アナザーデイ”であった。当時ラジオによくかかっていたが、この曲もなんかふわふわしたつかみどころのない曲であり、あまり好きになれなかった。ただ前回のドームでこの曲を聴いたときには、このふわふわ感が何とも言えないいい味をだしているなと、改めてその良さを認識した。
いずれにせよ思い出したようにレコード棚から引っ張り出し、ビートルズにのめり込んでいたあの頃を思い出す1枚。
2.「ジョンの魂」1970年
“ジョンとポールどっちが好きか”ということがよく話題に上る。個人的には年齢、時期によって変わってきた。ビートルズ聞き始めのころは圧倒的にポール。解散後もずっとポール。ただその後、初期のビートルズでジョンが歌いポールがハモる曲はもっともいいんだと思うようになり、いやいや、やはりジョンの“ストロベリーフィールズ”や“ノルウエイーの森”がいいねと思うようになったり、最近のポールのライブを見て“ごめんポールやっぱり君は素晴らしい!”と思うようになったり・・・要は両方が好きなのである。どちらかというのは答えられないのであります。
さてジョンのソロアルバムも“マッカートニー”に少し遅れて1970年にリリースされた。 まず歌のタイトルがきわめてシンプル。“マザー” “ラブ” “ゴッド” “リメンバー”等。
また、このアルバムも上述の“マッカートニー”同様シンプルな演奏であるが、寂寥感はこの比ではない。
鐘の音ではじまる‘マザー“に始まる。静かで重たい。ヨーコの東洋的思想の影響もあるようだ。エンデイングのジョンの叫びは悲痛を通り越している。この歌はビートルズ時代には歌えなかっただろう。ジョンが小さい時に母親が去り、ミミ叔母さんに育てられたのは有名な話であるが、母親に対するコンプレックスは相当大きかったのだろう。ホワイトアルバムでも”ジュリア“ という歌で母親のことを歌っていたなあ・・
“ゴッド”や“ワーキングクラスヒーロー”等重たい曲が続く中、ジョンの作品の中でも1、2を争う美しい曲“ラブ”がひっそりと含まれている。次の“イマジン”の中にある“オーマイラブ”とペアになるヨーコのことを歌った佳曲である。
“イマジン“がもはや20世紀のスタンダードとなったが、その少し前にリリースされたジョンの心情を赤裸々につづった素晴らしいアルバム。なぜ40歳という若さで逝ってしまったかのか。。
By かきくのく
ジャンル:American Rock
お薦めポイント:
世の中にリリースされたアルバムで、2作別々にリリースされたが、あたかも1つのアルバムのように受け取ることができるアルバムがいくつかある。個人的な思いもこめていくつか紹介します。
1. Music From Big Pink
ロニーホーキンスやBob Dylanのバックバンドを長く務めたのちにリリースされた彼らの1stアルバム。通称“ピンクアルバム”。最初に聞いた時はまあ何と地味でこれが20代半ばの若者が作る音楽かというのが第一印象。
出だしの”怒りの涙”はDylanとリチャードマニュエルの共作であるが、重々しい鎮魂歌のような出だしでアルバム全体をこの曲が印象付ける。とにかく重い。ただ佳曲も粒ぞろいだ。”I shall be released”はDylan本人ももちろん歌っているが数多くのアーテイストにカバーされている中で、The Bandのこれを超えるものはないだろう。DylanとThe Bandのライブ盤「偉大なる復活」の中で歌うリチャードマニュエルのボーカルは一世一代の歌唱で、“涙ちょちょぎれる”とはこういうことか。リチャードなぜ死に急いだのか・・残念。
“The Weight”も彼らの代表曲となった。レボンヘルムとリックダンコがボーカルを分け合い、“ごっついおっさんの声”で歌われる。コーラスパートの追っかけ輪唱もユニークだ。
“Easy Rider”の映画の中で効果的に流れていたことを思いだす。またステイプルシンガーズと共演したLast Waltzの映像は何度見ても楽しい。(話が横にそれるがLast WaltzといえばN.Youngの“Helpless”とDylanの“Forever Young”が秀逸と思うがいかが?)
2.The Band
彼らの2ndアルバムで通称”ブラウンアルバム”と呼ばれる。まずジャケットの渋さ!
“ほんまに20代かいな”というその風貌。このおよそ愛想のない視線、表情・・(カメラマンはハイ、チーズとか言わなかったのか・・言うわけないか・・)おそらくジャケットを見るだけで中身の音楽が想像される種類のアルバムではないだろうか。あるインタビューでレボンヘルムが1stが朝で2ndが夜を表している、みたいなことを言っていたと記憶している。まさにこの二枚で1つのトータルアルバムの体をなしており、典型的な2in1の範疇に入るアルバムだ。
特にThe Bandの最高傑作といわれるゆえんは、アメリカンルーツ音楽の宝庫である点。とにかく泥臭い曲からせつないソウルフルなバラードまで揃っている。特にリチャードマニュエルの歌う“ウイスパリンパインズ”は落涙ものだ。レボンヘルムの追っかけボーカルも味がある。(最近ではルシンダウイリアムスがカバーしておりそれもなかなか良い)
70年代に活躍したアーテイストのコピーバンドは数多くあるがさすがにThe Bandのコピーバンドは聞いたことがない。それだけこのテイストを再現するのはなかなか難しいということだろう。どこかにいたら連絡乞う!
By かきくのく
ジャンル:Progressive Rock
お薦めポイント:
洋楽にはまったものなら必ず通る道がプログレッシブロックであろう。その代表作で特に思い入れのあるアルバムを紹介する。
1.Pink Floyd 「おせっかい」
何といってもNHKで放映されたポンペイの廃墟跡での演奏に目を奪われた。ちょうど高校生でこの「おせっかい」がリリースされた後だったので食入るように見たのを覚えている。確か「One of these days」や「神秘」が演奏された後、「Echoes」が演奏された。ピンクフロイドを代表する曲といっても過言ではないだろう(“いやいや「原子心母」だろうと”いう人もいれば、“なんでやねん「狂気」にきまってるやんけ、われ!”という関西人もいれば、(前にも出たが)“やっぱり「ウオール」が最高にきまっちゅうがよえ!”という土佐人もいる・・・)当時アナログLPのB面一枚を費やされてリリースされた大曲である。遠くからエコーのように聞こえるピアノの音から始まり、それにギルモアとリチャードライトのボーカルがかぶさる。その瞬間がとにかく何ともいえない恍惚感を感じる。多重分割されたギルモアのギターが映し出されさらに画面に吸い込まれる。当時は家には録画するような機材は当然なかったため近くのレコード屋に学校の帰りにより、一人で何度もみたものだ。
かきく的な見方をすればピンクフロイドには結構フォーキな楽曲が多い。「I wish you were
here」や「if」などがそうであるがこのアルバムには「フィアレス」という美しい曲が挿入されている。
2.King Crimson 「クリムゾンキングの宮殿」
当時高校の音楽の授業で自分の好きなレコードを持ってきて聞かせるという時間があり、ある生徒がこのアルバムを皆に聞かせた。とにかく1曲目の「21stスキゾイドマン」に教室の誰もが腰を抜かした。“なんじゃこれは!これは何という音楽や?”“こんな歌きいたことないがちや(とまたまた土佐人)”というのが正直な感想であった。ひしゃげたボーカル、不気味なギターのフレーズ、高速にリズムを刻むドラム・・とにかくビートルズやニールヤングばかり聞いていた私はまさに衝撃を受け、すぐにこのアルバムを買い、家に遊びに来た友人にこの1曲目を大音量で聞かせ友人が目の玉をひん剥くのを横で見ながらほくそ笑んだものだ。この曲以外にも彼らを代表する「エピタフ」やアルバムタイトル曲「クリムゾンキングの宮殿」など佳曲が揃う。
その後「ポセイドンの目覚め」、「リザート」、「アイランズ」と立て続けに聞き、その後「太陽と戦慄」や「レッド」「USA」等聞き続け、ずぶずぶとクリムゾンの世界に侵されていったのである。今も時々無性に聞きたくなり、押し入れからぴっぱり出しては聞いている。かきく的楽曲はフルートの音色が美しい「風に語りて」か・・
3.Emerson,Lake&Palmer 「展覧会の絵」
残念ながらエマーソン、レイクと訃報が続いたがやはりプログレバンドとしてELPも避けて通れないバンドである。エマーソンはクラシック音楽からスタートしたキャリアであったため、随所にクラシックの要素が散らばっている。このアルバムはそのムソグルスキーのクラシック楽曲をそのままロックアレンジし演奏したライブアルバムである。「プロムナード」が何度か演奏され、「バーバヤーガの小屋」や「キエフの大門」といった大曲がちりばめられる。かきく的見方からすれば何と言っても「賢人」だろう。グレッグレイクがアコギ1本で演奏しているが伸びやかな歌声に加えギターも素晴らしい出来だった。この曲もコピーにやっきになった。
ELPのライブ映像もピンクフロイド同様NHKで見た記憶がある。(当時NHKはこの手のロック映像を頻繁に流しており、動くクリームやストーンズに感激したものだ)当時はめずらしかったシンセサイザーを操り、キーボードにナイフを突き刺すシーンはお決まりのポーズか・・エンデイングは軽快な「ナットロッカー」で締めくくられる。当時ラジオでこの曲がよくかかっていた記憶がある。
その後、後追いで「タルカス」や「EL&P」に遡り、「恐怖の頭脳改革」、「トリロジー」までは聞いたが、その後ややELPからは離れていった。
4.YES 「こわれもの」
上記3バンドとやや趣は異なるがYESもはずせない。昨年来日公演を行い健在であることを示した。YESの絶頂期はやはりジョンアンダーソンとステーブハウとリックウエイクマンが揃ったときのバンド構成の時であろう。透き通ったハイトーンのボーカルとギターとキーボードが巧みにからむ「ランドアバウト」からこのアルバムはスタートする。彼らの代表作のひとつ。あと途中にステーブハウの「Mode For a Day」でフラメンコ調のギターインストが挿入されている。かきく的にはやはりこの曲に注目せざるを得ない。高校時代頑張ってコピーをしたものだ。最後は「燃える朝焼け」でエンデイングを迎える。エンデイングを飾るにふさわしい大作であり、この時期の最高傑作ではないだろうか。
その後「危機」「海洋地底学の物語」「イエスソングス」ときいたが彼らは当時3枚組アルバムが多く、2か月分の小遣いをためてやっと買えるボリュームであった。その後かなりポップ路線に転換し、ロンリーハート他メジャーヒットを放った頃からやはり少し距離を置くようになった。
By かきくのく
ジャンル:West Coast Rock
年代:1971年
お薦めポイント:
Eaglesと人気を二分するWest Coast系RockグループDoobie BrothersはTom Jonston時代とMichael Macdonald時代に大別される。どちらが好きかと問われると人それぞれで“何と言っても前期のギターカッテイングと分厚いコーラスがいいんだよね”という人と、“何言うてんねん、Macdonaldのソウルフルな歌とAOR系楽曲がたまらんやんけ(突然関西弁)“という輩や、”いやいやその両方が共存しちゅーからいいがやき(と何故か土佐弁)“等々、まあ色々な意見が出る。
そういう中でどれが好きかと問われると、「ドウービ天国」や「スタンピード」でもなく、「ミニットバイミニット」でもない。私はDoobie 1stが好きだ。なぜか?それはこのアルバムがアコーステイック主体でフォーク、カントリー、ブルースなど様々なジャンルの楽曲が混在し、その後の豪快なトリプルリードのバンドサウンドを確立する前の比較的シンプルなバンド編成(4人)であるためだ。Nobodyの軽快なギターカッテイングに始まりChicagoで終わる。おそらくDoobieの中では有名な楽曲も少なくマイナーで地味なアルバムであるが、無性に聞きたくなる時がある不思議な1枚。
By かきくのく
ジャンル:American Rock
年代:1970年
お薦めポイント:
Doobieの1stに続き、同じくLittle Featでどれが好きかと問われると、「Dixie Chicken」でもなく、「Time Loves A Hero」でもなく、このシンプル極まりない1stがいい。(2枚組ライブの「Waiting For Columbus」もよく聞いたアルバムで、featにはまるきっかけになり、ライブ盤の中では私のベスト3に入るが・・)
まずアップテンポのWillingが入っている。(ライブのスローテンポバージョンもそれはそれですこぶる味があり、ローウエルジョージのボソボソボーカルとヘロヘロコーラスに、ビルペインのPianoがからみ、何度聞いても飽きない)この軽快なバージョンも捨てがたい。
またTruck Stop Girlや、I’ve Been The Oneという佳曲が揃っており、これ以降ニューオリンズ系ファンキーなサウンドに移行する前の地味ではあるがフォーキな良質アルバム。
つい最近のことであるが、私の知人のバンドでLittle Cheatというバンドが活動を再開したという情報を得て、早速YouTubeで見てみた。これには驚いた。ここまでFeatになりきったコピーバンドがあることを知らなかった。メインボーカル兼ボーカルはローエルジョージならぬロートルジョージ。歌い方、スライドギター、風貌、ファッションここまで追求できる世界があるとは・・興味ある方は一度YouTubeを見てみてください。脱帽。
By かきくのく
ジャンル:Rock
年代:1970年
お薦めポイント:
私が一番最初に家で聞いた洋楽はS&Gの「ミセスロビンソン/サウンドオブサイレンス」のシングル盤だった。ジャケットはブックエンドの例のポールとアートが静かな視線を向けているモノクロジャケットと同じものを使用。(今思うと「卒業」が封切られた頃か)のちに何故かCarol→永ちゃんに走ってしまう兄貴が持っていたのをたまたま聞いたのがきっかけだ。特にサウンドオブサイレンスのその美しいメロデイとハーモニーにすっかり虜になった。
その後「明日にかける橋」や「コンドルは飛んでいく」がラジオでよく流れるようになり、“よし!S&GのLPを買おう!この曲の入っているLPを買おう”と心に決め、自分で買う初めてのLPレコードであり、胸をときめかせレコード屋に向かった。小さなレコード店であったが当然「明日に架ける橋」は置いてある。ジャケットも二人が前後ろになって映っているあのジャケットだ。“いいジャケットだ!これを買うぞ”と思っていると店のお姉さんが声をかけてきた。「S&G好きなの?そのレコードもいいけど今度ギフトパックというレコードが来月でるのよ。二枚組だけど明日に架ける橋も入っているし、それ以外にもサウンドオブサイレンスやスカボロフェアもはいているのよ・・絶対こちらがおすすめよ」と強力にプッシュしてきた。本人としてはサウンドオブサイレンスは家にあるし、2枚組で3,000円と高価だったし(当時の私の1か月の小遣いは2,000円だった)、頭の中は「明日に架ける橋」でいっぱいだったためすごく躊躇した。ただそこはまだレコード買い初心者、すすめられたものを断るという術を知らない純情少年。いわれるがまま予約書にサインをし、なぜかとぼとぼと帰った記憶がある。
何十年か後、CDになってから購入はしたがあの時の高揚感はわかず、中学生のころ買えなかった小さな挫折感(ややオーバ)のようなものがよみがえった。ボクサー、セシリア、ニューヨークの少年、ベイビードライバ等々まったく捨て曲なしの名曲の集まりの超名盤であるが、なぜか中学生の頃の小さな後悔のとげを残したまま今に至っている。
By かきくのく
ジャンル:West Coast Rock
年代:1974年
お薦めポイント:
ジャクソンを初めて知ったのはかなり後からだった。大学に入って間もないころ神戸の元町のヤマハにふらりと入ったら、ジャクソンの新譜「Pretender」が壁に数十枚デイスプレーされていた。“ジャクソンブラウン?知らないな・・今売れてるのかな?”程度の印象であった。その後ウェストコースト系の音楽に没頭し始めると、イーグルスやJDサウザーと交流の深い、SSWだということを知り最初に買ったアルバムが「Late For The Sky」であった。
最初の印象は独特の歌い回しと陰影を帯びたやや静かな曲が多いなと思ったが、聞き込んでいくうちにその魅力に取りつかれてしまった。このアルバムにはタイトル曲である「Late For The Sky」の他に「Fountain Of Sorrow」や「Before The Deluge」といった後の彼の代表曲が多く収録されている。ピアノとギターを中心としたその後のアルバムの原点をなす秀作。このアルバムをたまに聞くと一気に10代の一人暮らしを始めたころの若く多感な頃に引き戻されて何故か落涙してしまう。
By かきくのく
ジャンル:Rock
年代:1974年
お薦めポイント:
以前より噂されていたDylanがついにノーベル賞を受賞することになった。スエーデンアカデミーは“風の歌を聴け”よりも“風に吹かれて”を選択したということか。賛否両論だが彼の膨大な作品群とその詩の内容が評価されての受賞だろう。Dylanのキャリアはゆうに50年を超える。オリジナルアルバムも40枚以上だ。その中から1枚選ぶのは至難の業だがあえて選ぶ。
メジャーなところでは2ndアルバムのFreewheelinやBlond On Blond、近年ではTime Out Of Mineあたりがすぐに浮かぶが、私は何と言ってもPlanet Wavesが気に入っている。理由は簡単、この頃のざらついたDylanの声が抜群にいいのとThe Bandと一緒に作り上げた1枚だからだ。(それ以前にもThe Bandとの共演The Basement tapesもあるが、あれはあくまでDylanの事故による隠遁生活中のセッション録音がたまたま日の出を見たものだ)このアルバムのロビーロバートソンのペキペキギターがすこぶるいい。特にGoing Going GoneはDylanの熱唱とロバートソンのギターが絡みスリリングに展開される。あと息子のジェイコブディラン(Wallflowerのボーカリスト)に捧げたバラードForever Youngにも泣ける。確かLast Waltzの最後に登場したときにDylanの帽子のアップからこの曲はスタートした。それ以外にもHazelなど美しい佳曲ラブソングが揃っている。
ちなみにジャケットの絵はDylan作とのこと。詩心の他に絵心もあるようだ。
By かきくのく
ジャンル:Rock
年代:1972年
お薦めポイント:
4 WAY StreetでNeil Youngの魅力に取りつかれた後にリリースされたアルバム。発売日にレコード屋に駆けつけ買った記憶がある。初期の名作というとAfter the Gold Rushをあげる人が多いが、私はこちらの方だ。カントリテイスト漂うラフな楽曲が多いからだ。
1曲目のOut on the weekendのシンプルな演奏とニールのハーモニカが寂寥感漂わせる。(のちにバズの“愛と風のように”がコマーシャルで流れヒットしたが、この曲の全くのパクリ 特に出だしのギターとドラムスの響きはそのまんま東)Heart of goldは当時よくラジオでオンエアされていた。Man needs a maidはオケをバックにした美しい曲。彼のメロデイーメーカぶりが発揮される。AlabamaやOld Manもなかなかいいが、最も好きな曲はDamage Doneからそのまま流れで続くアルバム最後のWords。ニール得意のドラマチックな展開に、途中でナッシュとステイルスのコーラスがかぶさり、ギターソロが楽曲に緊張感を与える。ギターソロ後半部の弦をかきむしるように弾く部分は何度聞いても鳥肌ものだ。
このアルバムをたまに引っ張り出し聞くと、10代の頃に帰ってしまう。
By かきくのく
ジャンル:West Coast Rock
年代:1976年
お薦めポイント:
1976年、アメリカ建国200年の年の暮れにリリースされたアルバム。“呪われた夜”や“偽りの瞳”が大ヒットした後だったので新作に大いに期待していた。当時ウェストコースト系のコピーバンドを始めたばかりだった。バンド仲間の一人が早速購入し、彼の下宿に行きメンバ全員で一緒に聞いた。
1曲目に針を落とすとオーケストラの演奏が流れてくる・・一瞬皆で“ん?”と顔をあわせた。イーグルスのアルバム1曲目といえば Take it easy, Already gone や One of these nightといった軽快でインパクトの強い曲が多いのに“何??”という感じ。
続いてVictim of loveが始まる。ギターのフレーズがなかなかかっこいいが、その後はJoe WalshやRandy Misnerの随分おとなしめの曲が続く。なんかいまいちやなと思いながら裏返すと突然12弦ギターのイントロからストーンズのアンジーのような歌が流れ出す。ドンヘンリーの歌が決まっているがなんかスーっと最後まで聞き流してしまった。そうしたらバンド仲間がレコードを見ながら“A面とB面かけ間違えた!”
そうなのだ!このアルバムはホテルカリフォルニアから始まってこそ、あの美しいスリリングな流れが作られているのだ。例えばLaylaはLaylaで始まらないといけないし、Crimson Kingの宮殿は21世紀のスキゾイドマン、ZeppelinⅡは胸いっぱいの愛、マシンヘッドはHighway Starで始まってこその名盤なのだ。(ちと力入りすぎか?!)
あらためてA面から聞くと、本当に捨て曲なしの素晴らしい楽曲の集まり。ずいぶん彼らも気合を入れたアルバムを作ったな、次が大変だなと思っていたら、案の定Long Runというどこか暗さの漂うアルバムを残し解散してしまった。旅行でLAに行った際、ビバリーヒルズホテルに寄ったが残念ながら改装中であった。
By かきくのく
ジャンル:West Coast Rock
年代:1970年
お薦めポイント:
CS&NにNeil Youngが加わった最初のアルバム。友人の家で初めて聞いた時に最初のCarry Onに脳震盪を起こした!4WayStreetのエレクトリックバージョンになじんでいたためこの曲を聴いた時、例のステファンチューニングのアコギの音とハイトーンコーラスがライブの荒削りコーラスと比べ物にならないほど完ぺきなハーモニーでもって耳に突き刺さる。(Neil Youngはコーラスに参加してたのか疑問。)次のteach your childrenは誰もがまずはトライする入門曲。2015年東京国際フォーラムでもアンコールの曲だった。ガルシアのスライドギターが効果的だ。Helplessは私のBiographyにも記載したが寂寥感漂う3コードの美しい曲。Last Waltzでのよれよれバージョンも秀逸。Deja Vuは今わがバンドでトライ中の楽曲。出だしの早口言葉が最大の難所でここをクリアしない限り完成はない。“イハハネバビニビフォアウポバリノジャワトウドウー・・・”いつ完成することやら。やれやれ・・。また4+20も海賊版ライブでCSNの3パートハーモニで演奏しておりなかなかの味付けだ。これも次の次か。このアルバムのハイライトはN.Young作のCountry Girl。彼らしいドラマチックな展開だ。バッファロー時代の楽曲の焼き直しであるがライブ演奏はしたことがあるのか不明。四者四様の個性的で緊張感漂う70年代を代表する超名作。
By かきくのく
ジャンル:West Coast Rock
年代:1969年
お薦めポイント:
1969年にリリースされた彼らのデビューアルバム。個人的には4 Way Street(1971年)→DejaVu(1970年)→本アルバム(1969年)と逆上って聞いたアルバムだ。ウッドストックで生ギター1本で演奏した1曲目の“青い目のジュデイ”に圧倒された。まずこのギターの疾走感あふれる音は何だ?(後でわかったことだがStephen Stills得意の変態オープンDチューニングを更に半音あげている)から始まり次にやたらハイトーンの分厚いコーラスがスリリングに展開される。この瞬間にぶっ飛んだ。その後も曲調は二転、三転と変わっていく。あのZeppelinやChicagoも彼らから影響を受けたのもうなずける。このアルバムからはこの曲のほかyou don’t have to cryがわがバンドの持ち歌だ。この歌もドロップDチューニングで直前のキーがDなのにコーラスはFで始まるという“けったいな”曲。ハモっているのかハモっていないのかよくわからないうちに終わってしまう。あと学生時代に初めてトライしたhelpless hopingも名曲。Graham Nash のハイトーンのハーモニーは、学生時代はこの音まで出ていたが今はのどにカポつけても出せない!トホホ・・。CrosbyのGuinevereもいつかはやりたい曲のひとつ。(私の知人のHさんがこのギターを完コピして演奏していたのに感動)浮遊感漂う独特の歌でオープンEm9チューニング?ともいうクロスビーが好んで使うやつだ。
あれから40年以上時は流れたがまったく色褪せない名盤の1つ。
By かきくのく
ジャンル:Funk
年代:1980年
お薦めポイント:
West CoastまみれのこのHPでFunkの話をするのは正直憚れますが、何故かこのジャンルも大好きな私としてはやはりご紹介したい一枚です。大学を卒業して、社会人になってしばらくしてから、当時のバンドリーダーの自宅で聴かせてもらい、ぶっとんだのがこのアルバムの1曲目、タイトルチューンでもある"Cameosis"でした。強烈なビート、独特のグルーヴ感、さらにはEaglesも真っ青級のしびれるコーラスパートもあり、強烈に私の脳みそに焼き付けられたのを、今でも鮮明に記憶しています。このCameoというバンドは、当時は多人数編制の典型的ファンクバンドでしたが、数年後には3人にまで減り、シモンズのエレクトリックドラムサウンドが印象的な"Word Up”という曲の大ヒットで、日本でも知られるようになりました。
By かきくのに
ジャンル:West Coast Rock
年代:1979年
お薦めポイント:
このバンドのことは、実はあまり知らなくて、アルバムもこれしか聞いたことがありません。でも4曲目に入っている「Surrender To Me」という曲がなんとも好きで、今でもたまに聞きたくなります。
思えば学生時代、かきくのくさんのバンド(当時、「ひろうえん」という名前のバンドでした)がこの曲をコピーしており、いいなあって思いながら聞いていました。青春の思い出が詰まっているからいいんでしょうかね^^
By かきくのに
ジャンル:British Rock
年代:1976年
お薦めポイント:
私のBiographyにも書きましたが、生まれて初めて自分のお小遣いで買ったLPがこれ。エリック・クラプトン、ジミー・ペイジと共に「三大ギタリスト」と称されるジェフ・ベックが、「Blow by Blow」という初のソロアルバムの次にリリースした作品です。彼の奏法の特徴は、ピックではなく指で弾くことですが、70歳を超えた今もそのテクニックは衰えていません。テクニックのみならず、ルックスも全くおじいさんっぽくないので、かきくブラザーズも彼を見習いたいと思います(笑)。
個人的には、ジャスの名曲でもある3曲目の「Goodbye Pork Pie Hat」が好きです。
By かきくのに
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