かきくのライブ観察記

このコーナーでは、我々が各地のライブを見に行った際の勝手気ままな感想を披露させていただきます。

自分たちのことを棚に上げ、好き勝手なことを申し上げますが、ご容赦くださいませ。

Get Back by Beatles”        by かきくのく

 ・日時 202111

 ・場所 Desney +  

 Beatlesの“Get Back”の映像配信が11月後半から開始された。当初は通常の映画館での上映予定であったがコロナの影響でデズニーの配信による形態に変更となったとのこと。そのおかげで映画館では到底見ることのできない6時間以上の配信となり、1ファンとしては嬉しい悲鳴でもあった。またオンデマンド配信のため、いつでも好きな時間に好きなだけみることができ、年末年始の休みも利用し3度見てしまった。
 さて内容に入る前に、let it beにまつわる個人的な想い出を記してみます。物心ついたころ(小学生5年生の頃か・・)近所のお兄ちゃん、お姉ちゃんたちがビートルズを話題にしているところに遭遇し、ビードルズって何かお兄ちゃんたちの話題になる外国のバンドだということがわかったが、そういった会話の輪に入ることが

できず、すこし寂しい思いをした記憶がある。(ちょうどヘイジュードがはやってた頃)

 その後ポーップミュージックを聞くようになり、ある日突然テレビコマーシャルに髭もじゃのポールがLet it be歌う映像が流れ、なんとかっこいい歌だろうと思った。(まだグループサウンズの名残りもあり、アイドルはルックス重視で、髭もじゃなんて言語道断という雰囲気があったように記憶している。)初めて買ったビートルズのアルバムがこれで、豪華な写真集がついていて3900円だったと思うが、当時中学生の私には勇気のいる買い物であった。

暫くして今回のGet Backの元ネタであるLET IT BEの映画が封切され、友達4人(当時のガールフレンドもいた)と見に行った。でも演奏は荒削りでハモもそんなにいい出来ではなく、ジョージとポールの口論シーンもあり、なんか暗い映像だなというのが第一印象であった。その後も名画座等で繰り返しみたが(だいたいイージーライダかウッドストックが一緒に見ることができた)ついにDVD等になることはなかったので今回の配信に大変興味を持ってみたわけである。

そこで今回の配信の印象を述べますと、まず結末を知っているだけにそういう目でみてしまうが、やはり解散やむなしか・・というのが第一印象であった。必死にバンドを維持しようというポールの頑張りがあり、ジョンもまだまだビートルズを続ける意思もあったように思う。ジョージは途中でプッツンしてバンドをやめるとケツをまくったが2-3日で説得され何もなかったかのように戻ってきた。(ジョージやめるのならクラプトンを入れようというジョンの発言には驚き・・)リンゴは人柄からか、ほとんど自己主張らしい主張は行わない。全然解散直前のバンドには思えない、仲睦ましいというか結成の頃からこんな感じで練習や曲つくりをやっていたのだろうなと想像が膨らむ。
 また解散後のソロの楽曲が随所に試奏されていたり、アビーロードの楽曲の原型が演奏されていたり興味深いシーンが随所にでてくる。またある知人曰く、バンドリハは自分たちの練習風景と大差ないなと。確かにそのとおり。ハイライトはルーフトップセッションをすべて見せるというところ。やはり昔ならしたライブ演奏の蓄積がものをいうというか、ライブバンドとしても超一流のレベルで、つくづく人前でやってほしかったなと思った。

その後は皆さんご存知のとおり。ジョンが生きていたら80歳。どこかの機会で4人が演奏する機会あったのではと妄想が膨らむ

ONCE WERE BROTHERS”        by かきくのく

 ・日時 202010

 ・場所 角川シネマ有楽町  

 ザ・バンドのというかロビーロバートソンによるザ・バンドのヒストリ映画を見た。学生時代にラストワルツを見て以来の劇場での彼らの映像である。バンドが解散してのち、ロビーロバートソンと他のメンバ(特にレボンヘルム)との確執は色んな形で報道され、あまりいい気分にはなれなかった。再結成もロビー抜きで行われ、来日公演も見に行ったがやはりロビーのあのぺきぺきギターがないとザ・バンドではないなという印象は強かった。

 そのロビーを中心に過去をたどる映像であるが、昔はものすごく仲が良かったことをことさら強調するあたりはやや白々しさを感じた。当時のロックミュージシャンお決まりの酒とドラッグに溺れていくあたりから様子がおかしくなっていくが。ロビーだけはしっかり曲つくりに集中し、バンドを支えていたとのこと。このあたりは事実そうなのだろう。後期の傑作の「南十字星」は全曲ロビー作のものだし。ラストワルツの企画なども彼のアイデアとのこと。

 

 クラプトンがインタビューでバンドに入るためにウッドストックまで訪ねて行った話があったが、彼のギタープレイとバンドが馴染むとは到底思えないが“No reason to cry”を一緒に作ったことで良しということでいいのではないか・・


DOUBLE FANTASY  John & Yoko”        by かきくのく

 ・日時 202010

 ・場所 六本木 「Sonyミュージアム」 

 ジョンレノン生誕80歳の節目に開かれたこの展示会。貴重な映像やグッズが展示されているとのことで早速見てきた。ジョンとヨーコの出会いからビートルズ解散以降の二人の活動を中心に展示されている。今回あらためて思ったのは小野洋子の目がすごく美しいということ。とかくビートルズ後期の彼女の印象は一般的に芳しくなく、また音楽活動もあまりに実験的でついていけない部分が多々あったが、あの純粋な黒い瞳で見つめられるとジョンも思わず魅かれたんだろうと勝手に想像。 

 

ジョンは5年の主夫生活を経て満を持して「ダブルファンタジー」の一連の曲を創作した。“ウーマン”、“スターテイングオーバ”、“ビューテイフルボーイ”等美しい佳作にあふれていた。最後の「ミルクアンドハニー」“グローオールドウイズミー”も後世に語り継がれる名曲だ。1981年には日本も含めたワールドツアーの計画もあったようだ。サプライズゲストでポールが飛び入りして演奏するというようなことがあってもよかったのではないかとの妄想が広がる。とにかく残念でならない。

”今昔ロックムービーについて”            by かきくのく

 

この1年ほどロックミュージシャンを主人公にした映画が多数封切られているので少し振り返ってみる。

 

1.昔編

 

ロック音楽を聴き始めた頃のロックムービーの代表格はやはり「イージーライダ」だろう。タイトル曲ステッペンウルフの“Born To Be Wild”のギターカッテイング、バーズの穏やかなイージーライダのテーマや、The Band"Weight“等、佳曲が随所に挿入されている。映画のストーリはヒッピー文化華やかし頃のバイクで旅する若者の映像をとらえたもので、ピータフォンダのかっこよさが際立っていた。私はバイクにはまったく興味なかったのでそれほどいいとは思わなかったが、やはり音楽の方に魅かれた。

 

その同じころにやはり名画座で繰り返し見たのが「ウッドストック」。昨年50周年を迎えて記念イベントをやる、やらないでもめていたが。この映画を最初見た時の最大の衝撃はTen Years Afterの“I’m going home”だった。今では大したことではないが、当時のアルビンリーの速弾きギターを見た時の衝撃は忘れられない。顔を真っ赤にし唇を尖がらせ、隣のベーシストはベースを弾くというより叩いてプレーをしていた。超絶速弾きギタリストともてはやされてが、今のアマチュアレベルのギター小僧でもあのくらいは弾けるのだろう。あとはThe whoの”see me, feel meSummer Time Blues“のかっこよさ。ピートタウンゼントの片手ぶんぶん回しと、ロジャーダレトリのマイク放り投げと、キースムーンの破壊的ドタドタドラムス。最後はほんとに皆楽器を壊してしまう狂暴ぶり、毎回壊していたら楽器代高くつくやろなと思いながら、口をあんぐりあけていた。CSNの”Judy“の分割画面も勿論よかったが、やはり先の2バンドに比べるとインパクトに欠けていた印象だ。

 

Beatles関係で行くとやはり「Let It Be」とジョージの「バングラデシュ」が双璧か。前者は今年50周年映画が作成中とのことで、その時にふれてみたい。(どんな映像になっているのか非常に興味深い。噂ではあの寒々とした映像ではなく、もう少し仲睦ましいシーンもあるとのこと)「バングラデシュ」の方は当時はそんなにDylanに興味がなかった(というか理解していなかった)のと、ジョージって歌下手やなという印象でクラプトンも随分おとなしかった(ドラッグとアル中でヘロヘロ状態であったことが後程判明)。一人頑張っていたのがレオンラッセル。彼の“Jumping Jack Flash”はすばらしい!

 

少し時間がたち、学生の頃は何と言っても「Last Waltz」だろう。今と違いロードショー映画でも入れ替えもなく何回も見ることができた良き時代だ。繰り返し見た記憶があり、もちろんDVDでも何度も見た。ここでの秀逸はやはりThe Bandのレボンヘルムがどしこい声で歌う“Up on cripple creek ”や“Dixie down”と、Dylanの「Forever Young」。Dylan70年代の充実期にあたる。

 

また当然、我がNeil Youngの“Helpless”も素晴らしかった。初めて動くNeil Youngを見たのはこの映画だったような気がする。汚いつなぎのジャンバーを着こみ、髪の毛はぼさぼさで目がうつろだった(これも後追いで知ったことだがドラッグを決めていたとのこと)。演奏は初Neilということもあり、感動で涙が出そうになった記憶がある。

 

2.今編

 

まずはクラプトンの「12小節の人生」あたりから、昨今のロックムービーに火をつけ始めたと思う。この映画の印象を一言でいうと、“君、よく生き延びたね。あれだけドラッグまみれ、アルコールまみれになって、同時代のミュージシャンの多くは亡くなったのに、よくぞ生き延びてくれたね、クラプトン”と感謝の気持ちでいっぱいになる。あとは“レイラ”や”Tears In Heaven“の誕生秘話は、よく知られているせいかあまり新鮮さはなかったが。何より演奏シーンが少なかった点が不満。

 

それに比べるとクイーンの「ボヘミアンラブソデイ」。世界的に大ヒットしただけあり、ストーリもよくできていたし、演奏シーンもふんだんにあり楽しめた。ただフレデイの出っ歯は出しすぎやろとおもわず突っ込みたくなったが。

 

実は同じころ封切りとなった「アリー」が、個人的にはお気に入りの映画となった。レデイーガガの演技のうまさと、監督でもあったブラッドリークーパの歌のうまさに驚いた。収録されていた楽曲がどれも素晴らしい。特にブラッドリークーパがバーで一人で歌う“maybe it’s time”と、グラミーの会場でもガガが歌った“シャロウ”が特に印象に残った。

 

ボヘミアンラブソデイの後追い路線ではあったが、エルトンジョンの「ロケットマン」もストーリ・音楽ともによくできていた。エルトンの稀代のメロデイメイカーぶりを改めて認識させられた。“Your Songは勿論超名曲であるが、その陰に隠れた名曲”Border Songも素晴らしい。この映画を観終わって、昔の“ピアニストを打つな”や、“キャプテンファンタステイック・・”“ホンキーキャット”あたりの古いCDを買い直し聞き直している。

 

最後はBeatlesもの「Yesterday」。世界で大地震が起こり主人公(と一部の人)しかBeatlesの曲を覚えてないというなかなか面白い場の設定になっており、なかなか笑える。主人公の売れないシンガーがすべて自ら歌っているとのことでなかなかのものでした。後半ジョンレノンのそっくりが出てくるところも笑えます。ジョンが生きているのならBeatles再結成の映画でも作ってほしいものですね。

 

その後の続々とこの手の映画が製作されているとのこと。Davit Crosbyのドキュメンタリー「Remember my name」やウエストコーストのロックシーンを描いた「エコーインザローレルキャニオン」等もあるようですが、日本では映画館上映は難しいでしょうね。早くDVDリリースしてほしい!

 


“細野春臣展 最近活動がハンパじゃない!”        by かきくのく

 

・日時 201911

・場所 六本木ヒルズ 「東京シテイービュー」 

 

細野春臣、言わずと知れたはっぴいえんどのベーシスト、いやYMOのメンバー、いやいやトロピカル三部作のあの人…等々色んな顔を持つアーテイスト。最近では海外から再評価され、昔のアルバムが若いリスナーからも好んで聞かれているとのこと。まあとにかく幅広いジャンルで長い期間第一線で活躍してきたミュージシャンということでその50周年を記念した展示会があり見てきた。

 

白金育ちで幼少のころから洋楽にふれる機会が多かったとのことや、祖父はタイタニックで唯一乗船していた日本人で一命は取り留めたとのこと等有名な話を織り交ぜながら、時代順に細野の歴史を追いかける。個人的にはやはりはっぴえんど結成前後の話に興味がつきない。バッファローの音楽を追求し、ジェイムステイラーのギターを模範として“風をあつめて”を作ったとか色々エピソードはある。

 

はっぴえんど時代の面白さは、日本語ロックへのアプローチに注目が集まる。確かにあの時代にロックのリズムに日本語歌詞をうまくのせたことにことは評価されるが、私はやはり大滝栄一と細野春臣のボーカルの対比に面白みを感じた。今ではめずらしくないが、日本語を英語っぽく崩してうたう大滝と、低い声で朴訥と歌う細野のボーカル。この妙が松本隆の歌詞と相まって独特の世界を生み出していたと感じていた。

 

実はYMOはずっと避けてきていた。理由はテクノポップはなぜか入っていけず、聞かずにやり過ごしてきた。でも少し聞いてみようかということで、今年発売になった“ソリッドステイトサバイバ”や“BGM”を遅ればせながら買い求めて聞いてみた。アレンジの妙と高橋幸広のボーカルがなかなかいい。オリジナルものもいいのだが、特にBeatlesのカバー“DayToripper”のアレンジの良さに感銘した。やはりただ者でなはいか・・

 

最近はまた歌もののアルバム作りに回帰しているようだ。“HOSONOVA”や“Hevenly music”といったカバーものは秀逸。まあこういった細かい話よりも写真で見ていただいた方がいいでしょう。

 


“ストーンズ展 ボウイの方が一枚上か”        by かきくのく

 

 ・日時 2019413日(土)

 ・場所 TOC五反田メッセ 

 

ミックジャガーが心臓手術を受けるとの情報もあったが無事終了とのこと。まずは何よりです。この世代になると何があってもおかしくないので・・。さてストーンズ展が東京で始まりました。一昨年のD.ボウイ展が素晴らしかったのであれと同じイメージでそそくさと見に行ってきました。結果は“悪くはないけどボウイのほうが1枚上か”という感想です。とはいえ結成から50年以上転がり続ける万年不良バンド“ストーンズ”の歴史を俯瞰するにはちょうどいい催し物でした。

 

ストーンズというとどうしてもビートルズと比較してしまいます。洋楽を聴き始めた頃は圧倒的にビートルズ一点張り。ビートルズの方がわかりやすいしメロデイもきれい。一方ストーンズは何かよくわからないバンドでメロデイアスな歌も少ないという印象であった。(as tears go by とかangieといか究極のバラードもあったが・・・)しかし色んな洋楽を遍歴し、ブルースロックやサザンロックにのめり込んでいくと逆にビートルズではものたりなくなり一時期ストーンズにのめり込んだ時期もあった。

 

“ベガーズバンケット”に始まり“Let It Bleed”でストーンズに目覚め極め付きはやはり“StickyFingers”と“メインストリートのならず者”で決まり。ビートルズにないグルーブ感や荒削りのギターリフ、ミックとキーズのルーズなコーラス等洗練はされてはいないが何か心に刺さる音楽とはこういうことか。ストーンズをきっかけにブルースやスワンプロック、ルーツロックにずぶずぶとはまり込んでいっしまったがお蔭で一気に聞く音楽のジャンルが広がっていった。抵抗なく幅広い音楽が聴けようになったのでストーンズに感謝するしかない。おそらく彼らにそんなに残された時間はないと思うがもう一度日本でライブを見たいアーテイストの1つです。

 

ストーンズ展は文章で書くより写真のほうがいいと思うので以下は写真でどうぞ!

 


 “新三大ギタリスト ジョンメイヤーを武道館で見た”    by かきくのく

 

 ・日時 2019411日(木)

 ・場所 日本武道館

 

ライブを見るたびに日本は(特に東京は)本当に恵まれているなと感じる。新三大ギタリストのうちの二人John Mayer(以下JM)とDerek Truckが相次いで来日しJohn Fruscianteの元在籍したレッチリがサマソニに出演するという。さらに加えて元祖三大ギタリストのECが恒例の武道館5日間公演を行う。偉大なるギタリストの生の演奏を東京にいながら見ることができるのは本当に幸せだ(東京以外の方ごめん!)

 

JMは今回はオセアニアからアセアン諸国を回り、その後、香港でのライブを終えて日本にやってきた。日本を愛してやまないJMであるがわずか2日間でしかも東京だけというのはちと寂しい。(次は主要都市もまわってほしいものだ)

 

1曲目はBeliefからスタート。私のFavorite Songの1曲だ。Guitarのフレーズが何ともかっこいい。クラプトンのギターフェスでの好演を思い出す。続いてまた定番のMoving On and Getting Over。相当弾き込んだストラトが画面にアップになる。素晴らしい音だ。近年のアルバムはアコーステイックギターをベースにした楽曲が多いが、今回のライブもそうだった。マーテインの自らのシグネイチャーモデルと途中D45を弾いていた。

 

1部はあっという間に終わり20分ほどの休憩をはさみ後半へ。昨日はなんとエドシーランがサプライズゲストで2曲演奏し大喝采を浴びたとの情報あり。少し残念な気持ちもあったがエドシーランってあんまりシーランのでまあいいか(寒い!)

 

アコギの弾き語りでは持ち歌に加え、Dylanのカバー“Buckets On Rainも取り入れていた。推定年齢40±20歳の客層のうち、若い人は知らないかな・・いまいち反応は鈍かったかな・・Neonで抜群のアコギソロを披露し後半は怒涛のヒット曲満載。怪しい日本語MCを交えあっという間の3時間であった。もう少しエレキセットでソロを聞きたかったがそれは贅沢か・・常に追いかけたいアーテイストの一人だ。唯一の不満はそのへんの兄ちゃん風のジャージ衣装はやめてほしかった・・見た目も大事でっせ!ジョン!

 

PS なんと翌々日のクラプトンの武道館ライブのアンコールに飛び入りでギターを弾いたとのこと!なかなかやってくれるじゃない。

 

 (Set list

  • Belief

  • Moving On and Getting Over

  • I Don't Trust Myself (With Loving You)

  • Who Says

  • Waitin' on the Day

  • Love on the Weekend

  • Something Like Olivia

  • Changing

  • Why Georgia

  • New Light

 Acoustic) 

  • In Your Atmosphere

  • Buckets of Rain (Bob Dylan cover) (Tour Debut; first time played since 2013)

  • Your Body Is a Wonderland

  • Neon

Full Band, Set 2) 

  • I Guess I Just Feel Like

  • Rosie

  • In the Blood

  • Slow Dancing in a Burning Room(with The Beautiful Ones Intro… more )

  • The Age of Worry

  • If I Ever Get Around to Living

  • Waiting on the World to Change

  • Dear Marie

 Encore) 

  • You're Gonna Live Forever in Me

  • Gravity

  


 

Sydneyでも鷲は舞い上がった”               by かきくのく

 

 ・日時 2019314日(木)

  ・場所 QUDOS BANK 

  

G.FREYが亡くなった後、D.Henryはこれで”Eaglesの活動は終わったと宣言した。私は全く反対のとらえ方をしていた。つまりHell Freezes Overの時と同じく、必ず何らかの形でやるのだろうと・・・。案の定、グレンの息子Deaconを担ぎだし、カントリ界のスターVince Gillをメンバに入れ、ツアー活動を再開したのだ。最近の彼らは40周年エデイションやらLegacyと称して過去の出つくしている音源の集大成BOXセットを出したりして、金目当ての動きがプンプンしていたのでその姿勢にあまり、好意をもてなかったがたまたま別目的でオーストラリアに行く機会があり、ちょうどシドニーでライブがあるとのことで見に行ってきた。


Eagles
ライブを見るのは、確か今回で6-7回目になる。前回見たのはちょうど北京にいた時で、日本と異なるセットリストであったことと、やたら客層が若かったことが印象的であった。今回は、シドニーオリンピックでの会場でもあったQUDOS BANKというアリーナ会場で、大変美しい施設であった。客層は日本と同じく70年代にリアルタイムで聴いてきたシルバー世代が圧倒的に多い。EaglesTシャツ着込んだオージファンが多数近くのビアホールで気勢をあげていた。私もグレイテストヒットのジャケットをあしらったTシャツを着こんで気勢を上げようと思ったが、アジア人はシャイなのである。バーの片隅でちびちびビールを飲み、グッズ売り場へ直行。ここで定番中の定番、ホテルカリフォルニアのTシャツをゲット。次のライブで着ようっと!

 

会場に入ってみると、座席はなんと前から6列目のセンターやや右横の絶好のポジション。彼らをこんないい席で見るのは初めてだ。期待が高まる。

 

さあ、20:00過ぎてぞろぞろ出てきた。DonJoeTimothyV.GillDeaconに加え雇われギタリスト、スチュアートスミスもフロントに並ぶ。6人がギターをもって並ぶ姿は壮観である。1曲目“Seven bridges road”アカペラでスタート。最近の我がバンドのレパートリにもなった曲であるが、何と彼らはオリジナルキーより1音落しているではないか?!僕たちが苦労して高いキーでトライしているのに本家は1音下げ!”これはズッコイ、ちゃんとDでやれよ!“と、何故か全然変なところでこの日本人は怒っている・・・でもやっぱりうまい!どこかのバンドと違い誰も外さない(プロだから当たり前か・・・)6人でハモるからその迫力はすごい!しかもあまりアレンジしないバンドが間奏にギターアドリブがけっこう入れている。しかも素晴らしい音響である。1曲目から大興奮状態。


2
曲目はさっそくTake It Easy。息子のDeaconが名刺代わりに歌う。Looksはおやじよりハンサムだが、正直歌もギターも可もなく不可もなく(ごめんDeacon)。わかりやすく言うと、客寄せパンダ的な意味合いか(再々ごめん!)。ただオージ女性からやたら黄色い歓声があがっていた。

 

 

続いてV.GILLtake it to the limitを挨拶代わりに歌う。あまいいい声であるが、やはりRandyを思い出してしまうのは私だけか。あとはヒット曲オンパレード。One of these night, Lying eyes ,I can’t tell you why 新旧おりまぜながら25~6曲はやったか。アンコールはお決まりのホテルカリフォルニアとデスペラード。これで終わるかと思っていたら、最後にBest of my loveで締め。Don Henryボーカルの連発であった(ちと高いところが苦しそうだったが)。

 

セットリスト的には目新しいものはなく、最近のライブでやっている曲がほとんど(V.GILLの持ち歌くらいか)。OL55やサタデーナイト、Sad Cafeとか、ほとんどライブでやらない曲をやってほしかったことと、JOEJames Gangとソロ時代のお決まりの曲しかやらない。このあたりが唯一の不満であった。

 

まあいろいろ気になる部分もあったが、やはりライブで見る臨場感と英語圏で行っていることによる会場との一体感やJokeのやりとり(私にはわからなかったが)で日本では味わえない雰囲気を味わうことができた。この後少し休み、夏の欧州ツアーに行く模様。おそらく秋以降、日本も含めたアジアツアーに来るのではないかと予想。日本に来たらやはり行くかな・・やめとこかな・・でも外せないね、ということで待っています。

 
   (Set list

  1. Seven Bridges Road(Steve Young cover)
  2. Take It Easy
  3. One of These Nights
  4. Take It to the Limit
  5. Tequila Sunrise
  6. Witchy Woman
  7. In the City
  8. I Can't Tell You Why
  9. New Kid in Town
  10. Peaceful Easy Feeling
  11. Love Will Keep Us Alive
  12. Lyin' Eyes
  13. Don't Let Our Love Start Slippin' Away(Vince Gill cover)
  14. Those Shoes
  15. Already Gone
  16. Walk Away
  17. Life's Been Good
  18. The Boys of Summer
  19. Heartache Tonight
  20. Funk #49
  21. Life in the Fast Lane

 Encore:

Hotel California

 Encore 2:

Rocky Mountain Way

Desperado

 Encore 3:

Best of My love

 

 

 


“宮殿の衝撃再び”               by かきくのく

 

・日時 20181128日(水)

・場所 オーチャードホール

 

高校生の時に初めて聞いたクロムゾンキングの宮殿の衝撃は未だ忘れられず、以降ポセイドン、リザード、アイランズ、レッド、太陽と戦慄等ずっとフォローし続け今に至っている。そんなキングクリムゾン(以下KC)が来日するということで、今までなかなかチャンスに恵まれなかったが、やっとのことで見ることができた。

 

客層は私の世代が中心であり、女性客が少ないということが特長か。私の連れも家でKCを聴くと、おどろおどろしいのでやめてと文句をいう。(とほほ)3年前の来日Tシャツを着こんだ筋金入りのマニアも多数いるが、全体に落ち着いた大人の客層が多い印象だ。

 

さてKC登場。定刻きっかりだ。後のインターミッションの時間厳守も含めR.フィリップスの厳格な性格によるものか?全員ダークスーツで決めている。フロントに3ドラムを配置し、一段高いところに他のメンバが全員配置されている。ツインドラムのバンドは多数あるが、トリプルドラムスは聞いたことがない。MCは一切なし、Thank Youの一言もない。この前みたマッカートニーのような日本語サービスでおどけるシーンも勿論ないし、大阪で毎度!もいわないだろうし、国技館で仮にやったとしてもドスコイ!ドスコイとは口が裂けても言わないだろう、彼らの一貫した流儀なのだろう。 

ライブの中身を一言で言うと、“40数年ぶりに10代で受けたクリムゾンの衝撃を、ライブでまた味わうことができたということ。ギター、ベース、SAX、ドラムス一体となった怒涛の演奏が次々繰り出され、圧倒されてしまった。スキゾイドマン、エピタフ、スターレス等に感動したのは当然として、初期のアルバムに収められているMoonchildCadence and Cascadeもやるんだと感心。

実は前日のセットリストを確認していたのでスキゾイドマンをやらないステージなんだと思っていたら、大幅にセットリストが入れ替えられていた。どうやらライブ当日にR.フィリップスが決めてメンバに通知するようだ。(ちなみに翌日の同じホールでのライブのセットリストは、またまた大幅入れ替えがあったとのこと)ということは今回は12回の公演を全国で行うが、すべてのセットリストが違うということか・・・ヘビーユーザは大変。

帰りの電車では、リザードを聴きながら余韻にひたりつつ帰ったのは言うまでもない。

 

(セットリスト)

1

01. Larks' Tongues In Aspic Part

02. Peace - An End

03. One More Red Nightmare

04. Red

05. Cadence and Cascade

06. Larks' Tongues In Aspic Part

07. The Letters

08. Sailor's Tale

09. Moonchild

10. Bass & piano cadenzas

11. The Court of the Crimson King

12. Radical Action (To Unseat the Hold of Monkey Mind)

13. Meltdown

14. Radical Action (To Unseat the Hold of Monkey Mind II)

15. Larks' Tongues In Aspic Part

2

15. Discipline

16. Neurotica

17. Epitaph

18. Easy Money

19. Indiscipline

20. Starless

---encore---

21. 21st Century Schizoid man

 


 “音楽は世代を超えて”        by かきくのに

 

・日時 2018610日(日)

・場所 四谷 LOTUS

 

185センチの長男と、175センチの次男がおり、関係各位より予ねてDNA検査を薦められてはいますが、検査するまでもなく、音楽好きなところはまるで父親譲り(オヤジ本人としては、顔も似てると思っているのですが、目下賛同者ゼロ)。一度も音楽を薦めたことはないのに、気が付くとふたりとも音楽やってました。この度、ベースの長男はかきくに加入、そしてギターの次男は、これはたまたまの偶然なるも、親父世代のメンバーとバンドを組むに至りました。

 

その名もZe-Gaps。練習音源は聞いてましたが、なかなかのものでしたので、四谷で行われた初ライブを、大雨の中、家内、長男、次男の彼女と見に行ってきました。私はかきくの練習帰りゆえ、例によってカホンを担ぐ富山の薬売りのいでたちでした。ちなみに、次男の彼女もギタリストで、若いのになんとNeil Youngのファン。かきくのライブも皆勤賞で見に来てくれてます。

 

幕開け、いきなりギターが鳴らない・・・というアクシデントに見舞われましたが、これはご愛嬌。

写真センターに写っているボーカルの素晴らしい声量と歌声に、たちまち圧倒されました。やっぱりバンドはボーカルがいいと、映えますよね~。

 

タイトなリズムセクションに守られて、次男のギターも想像以上にかなりイケており、「まだまだキャリアでは負けへんで~」と思っていたオヤジとしては、ちょっと嬉しいやら焦るやら・・・。

 

対バンライブでしたので、演奏時間は40分弱。セットリストは下の通り、私が次男に薦めた5曲目(Jeffery Osborneというファンク系ボーカリストの楽曲で、途中にRed Specialと呼ばれるお手製ギターを弾くQueenBrian Mayのソロが入る軽快なナンバー)以外は、有名曲ばかり。やはり知ってる曲を演奏することの重要さを感じた次第です。

 

いつか我々かきくとの対バンができればなあ・・・などと思いつつ、大雨でずぶ濡れになりながら帰途に着いた日曜の夜でした。

 

1. Too Much Information - Duran Duran

2. The Stranger - Billy Joel

3. You've Got a Friend - Carole King

4. I Just Call To Say I Love You - Stevie Wonder

5. Stay With Me Tonight - Jeffery Osborne

6. Foot Loose - Kenny Logins

 

 

 


 “ニューヨークの少年は曙橋でも歌っていた”       by かきくのく

 

・日時 2018416日(土)

・場所 バックインタウン

 

我がバンドが何度かお世話になっている“バックインタウン”の店長のバンドがライブをやるということで早速見てきた。S&Gの他にも日本語その他をやりますとのことで期待が膨らむ。S&Gは何と言っても私が洋楽を聴くきっかけ、また同時にギターを弾くきっかけになったバンドだ。卒業の挿入歌でもあった“サウンドオブサイレンス”を最初に聞いた時の感動は今でもよく覚えている。美しいメロデイーにハーモニーがからみあう。イントロのギターを弾きたくて中古のガットギターを買った。なかなかそのイントロが弾けず苦労した記憶がある。単なる3度のコーラスではなくポールサイモンが歌う低温パートがなかなか秀逸。

それはさておきバンドの方である。Roving Gamblers。ギター2台とウッドベースの3人組で時折12弦ギターやガットギターに持ち替える。結成から50年でライブは2年半ぶりとのこと。さすがに年季の入ったバンドで歌いまわしやハーモニーは絶妙である。

1部はすべてS&Gのカバー。“水曜の朝午前3時”で幕をあける。昔後輩バンドが初々しくこの欲をやっていたのを思い出した。同じく“私の兄弟”は先輩女性バンドが男性顔負けの“どしこい”コーラスで度肝を抜いたことが思い出される。中盤からはS&Gの代表曲が続く。“アメリカ”は何度聞いても名曲だし、軽快な“ミセスロビンソン”から“サウンドオブサイレンス”には思わず落涙しそうになった。

 

2部はうってかわって日本のフォークソングからブラフォー楽曲でステージの雰囲気を変えた。時折ギターコードを間違えたがご愛嬌か。ブラフォーはやや不得意で知らない曲があった。後半で特に気に入ったのが“旧友~ブックエンド”のメドレー。やや地味な曲故、あまりこの曲をカバーしているバンドはいないと思うしS&G自身もライブではあまりやっていないのではないだろうか・・。もっともS&Gらしい繊細な曲“家に帰りたい”“4月になれば彼女は”と続く。このあたりはスリーフィンガーの練習曲か。“ボクサー”で締めくくりアンコール2曲で終了。 

 

つくづく思ったことだが二人デユオというのはごまかしがきかないなということ。特にS&Gのような繊細な曲においてはなおさらそう思う。他にもエバリーブラザーズや、クロスビー&ナッシュ、最近ではミルクカートンキッズ等すばらしいデユオグループはいるけれども、彼らの楽曲に漂う繊細で知的な雰囲気はなかなかまねできないがこのバンドは十分そのたたずまいを表現していた。

 

(1部)

  1. 水曜の朝 午前三時

  2. 私の兄弟

  3. きのう見た夢

  4. 雨に負けぬ花

  5. America

  6. コンドルは飛んでゆく

  7. スカボロフェア

  8. ミセスロビンソン

  9. サウンドオブサイレンス

(2部) 

  1. 遠くへ行きたい

  2. 白いブランコ

  3. ブラフォー1 ?

  4. ブラフォー2 Four Strong Wind

  5. ブラフォー3 シェランド

  6. 真冬の散歩道

  7. 旧友~ブックエンド

  8. 早く家に帰りたい

  9. 4月になれば彼女は

  10. 59番街橋の歌

  11. ボクサー

(アンコール) 

  1. セシリア

  2. サンフランシスコベイブルース

 


Charハンは めっちゃ美味い!       by かきくのく

 

・日時 20171130日(木)

・場所 銀座ヤマハホール

 

Charがアコギライブをやるということで早速見てきた。去年、山梨の武田神社境内でのアコギライブ以来か・・・ あの時は神社の境内ということで足袋を履いて出てきたが・・・

銀座ヤマハホールは初めてであったが、通常はクラシックを主としたコンサートを行っており、キャパも300人余り。木の香りが漂ういい雰囲気のホールだ。

なぜか幸運にも最前列の席が確保できた。バチバチと視線が合ってしまう。

Charの他はベースの澤田浩史とパーカッションの古田たかし。 いつものメンバーだ。Charのアコギはヤマハの「L51」というタイプで、35年弾き続けているお気に入りらしい。マーチンでもギブソンでもないところがCharらしい。ブースターとフェイザーを時々かける程度で、あとは生のピックアップのみ。チューニングもあまりやらない。あれだけ強く弾いてもチューニングが狂わないのか?不思議。

さて、ライブの方はというと、さすが日本を代表するギタリストというかエンターテイメント、最初からアンコールまで全く飽きさせない。アコギであれだけのグルーブ感を出せるアーテイストはそんなにいないのではないか(当たり前か・・・ かきくも少しでも近づきたい、なんて口が裂けても言えないが・・・)

セットリストもCharオリジナル曲をメインに、影響を受けたアーテイストや身近な日本のミュージシャンのカバーを独特のアレンジで取り入れて披露してくれた。特によかったカバーものを以下に記すと・・・ 

  • ブラインドフェイス”Presence of the road“ 名曲をChar風にアレンジ
  • Led Zeppelin “Thank you” Char曰く、「Zeppelinで最もメロデイアスな曲」 確かにそうだ
  • S.ワンダー “スーパースティション” (これをアコギでやるの?!)
  • ベンチャーズ “パイプライン” これは定番
  • かまやつひろし “フリフリ” かまやつトリビュート 合掌
  • クレイジーキャッツ ”スーダラ節“ 振り付けが最高
  • BAHOHappiness“ 石田長生に涙 これまた合掌
  • もちろん “気絶するほど悩ましい”のアコギ版 最高

いつも思うことながらCharのギターテクは勿論であるが、その立ち居振る舞い、容姿、ファッションがすべてにおいてRockしていることが大きな魅力。また山達もそうであったが、絶妙のMCを音楽の間に聞くことができる点が究極のエンターテイナー。

また行こうっと!

 


ジョニが御茶ノ水Woodstockに舞い降りた夜       by かきくのく

 

・日時 20171122日(水)

・場所 Woodstock Café

 

かめばんどのゼラチンさんから「ジョニミッチェルナイトがあるので俺はいかれへんけど行ってみいひんか?」との話があり、二つ返事で行ってきた。たまにいく御茶ノ水のギターショップ街を通り抜け、ひっそりとその“Woodstock Café”はあった。名前からその手の感じの店だろうと予想していたが、まさにそのまんまの店構え。60年代、70年代のアメリカンロックテイストがプンプン漂う。

 

店内は20人も入れば満席なるくらいのサイズ。予約をしていったので名前を告げると「夕焼け楽団の久保田真琴さんではないんですね?」と一言。(「そうだ」と言っとけば安くなったかな?なるわけないか・・)壁にはDylanのポスターやLate For The Skyのジャケットが掲げられている。流れる音楽ももちろんその時代の音、確かピータゴールウエイが流れていた。

 

今日のアーテイストは“さとうさちこ&種田博之”というまったく知らないユニットであった。さとうさちこさんは横浜方面中心に活動されているようで、綱島のライブハウスには10数年歌っているとのこと。ギターの種田さんは、センチメンタルシテイロマンスの現在のギタリストとのこと。センチも昔はよく聞いたが、まだ活動しているのとギタリストは変わっていることは知らなかった。

 

さてライブがスタート。いきなり変則チューニングの“チェルシーモーニング”でスタート。(昔大学の先輩女性が歌っていたことを思いだす)声の質がジョニそのもの。特に高音部はそのまんま東状態。MCの半分はチューニングしているとのコメント。なるほど。確かにジョニの曲をコピーするとそうなるはず・・。一部はブルーやクラウズなど初期のアルバムからの曲が続く。ウッドストック(もちろんCSN&Yでヒット)、カリフォルニア、Case Of You等々。

 

後半は、エレキギターを持ちながら中期のJazz時代の曲も披露。ミンガスやシャドウズ&ライトからも演奏。いつかはバンドでジョニミッチェルナイトやりたいけど、誰がジャコパストリアス役やるんだろうとのコメント。納得。でもこれまた面白そう。最後は定番の「青春の光と影」でしめ、アンコールで一曲だけオリジナルをはさみ、サークルゲームで終了。

 

いい雰囲気の店での透きとおった歌声に酔いしれた夜。帰宅後、ジョニの初期10枚組BOXセット(なんと中古3500)をオーダ。また機会があれば聴きに行こうっと。

 

 

 


人柄あふれるジャクソンのコンサート      by かきくのく

 

・日時 20171017日(火)

・場所 渋谷オーチャードホール

 

ジャクソンブラウンが来日する際は、ほぼ毎回見に行くことにしている。彼のナチュラルな歌声と独特の歌い回しが好きだからである。近年では単独でのアコーステイックライブもあり、新作プロモーションを兼ねたツアーもあり、毎回クオリテイの高い演奏を聞かせてくれる。心躍らせて会場へ向かった。

まず恒例のグッズコーナーへ。今回のツアーパンフにもなっているジャクソンがGibsonJ50を掲げた黒のTシャツをゲット。(今度のライブで着るか・・)連れのかさんはLate For The SkyのジャケットをプリントしたTシャツ購入。これもなかなか良いが二人でのペアルックもどうかと思いやめた。

さて会場へ。彼は毎回東京ではこのオーチャードホールでやっている。適度なサイズと彼のサウンドに合うのだろう。今日は二部構成とのアナウンス。寄る年波には勝てず途中で休憩か。客層考えてもそのほうがいいだろう。

 

オープニングは何とTom Pettyのカバーでスタート。ちょうど亡くなった直後ということでの選曲。後半に演奏するThese Day(グレッグオールマン) やTake It Easy(グレングライ)等、関係の深いアーテイストが鬼籍に入りはじめており、寂しい限りである。

(不謹慎であるが、皆元気なうちに見ておかないと後で後悔するよね。)

二曲目はめずらしくSome Bridges。昔別バンドでトライしたが没った曲。そのバンドでは後半演奏するThe Naked Ride HomePretenderLove Needs a Heart(そういえばヴァレリーカーターも亡くなりました)など結構ジャクソンの曲をやったことが思い出される。かきくでもトライしたいものだ。

新旧の名作の合間に、時々会場からのリクエストに応え、セットリストを変更する。このスタイルは毎度のことだが、彼のサービス精神、ファンに向き合う真摯な態度、人柄が溢れる。

今回もCall It a Loan(毎度のリクエスト、日本人好み?)やプリテンダーに入っている地味なFurther On。(この曲は大学に入学した頃、一人のわびしい下宿住まいでこの寂寥感溢れる曲を繰り返し聞いたものだ)

バックバンドは、彼自身が近年の最高のバンドと紹介しているとおり、ジャクソンの歌声、楽曲と非常にマッチしている。特にヴァル・マッカラムとグレッグ・リーズの2ギターのアンサンブル。出しゃばり過ぎないリードギター、その艶やかな音色、限りなくジャクソンの声と融合されている。

今回ライブのハイライトは、おそらく大半の人が認めるだろうシャヴォンヌ・スチュワートとアリシア・ミルズをフィーチャーして曲が大きく生まれ変わった「ライヴ・イン・ザ・バランス」。直前にリリースされたライブインジャパンCDにも含まれていたため事前予習はしてきたが、やはり生で聴くとさらにその迫力が増幅される。クロスビー&ナッシュやボニレイットとの共演もすばらしいが、やはり今回の構成が群をぬいて素晴らしい。終わったあとの大拍手と共に会場からため息が聞こえてきた。素晴らしい!

今回、69歳になっても衰えのないジャクソン節を届けてくれた。Forever Jackson

 

(当日のセットリスト)

 

1

  1. The Waiting (Tom Petty Song)

  2. Some Bridges

  3. The Long Way Around

  4. Rock Me on the Water

  5. Looking East

  6. Farther On

  7. These Days

  8. Just Say Yeah

  9. Your Bright Baby Blues

2

  1. Something Fine

  2. Lawyers, Guns and Money

  3. The Naked Ride Home

  4. Fountain of Sorrow

  5. Lives in the Balance

  6. Call It a Loan

  7. Love Needs a Heart

  8. The Barricades of Heaven

  9. The Pretender

  10. Doctor My Eyes

  11. Running on Empty

アンコール

  1. Somebody's Baby

  2. Take It Easy

 

 


恒例の山達ライブ 3時間越えのエンターテイメント  by かきくのく

 

・日時 2017831日(金)

・場所 長野ホクト文化ホール

 

彼は2008年以降、ほぼ毎年ライブを行っている。理想のバンドメンバを集められる環境が整ったからというのが理由のようだ。確かにすばらしいクオリテイの演奏を聞かせてくれた。そのライブの模様をレポートします。 

 

少し時間をずらした夏休みを利用し、たまたまチケットが取れた長野に旅行かねて見に来た。彼のチケットはなかなか取れないが幸運にも毎回どこかで見ることができている。過去、札幌(なんと最前列の中央席)、仙台、東京、横浜、大阪、神戸等で見てきた。すべて規模の小さなホールでしかやらない。今回は長野。せいぜい2,000人くらいか。しかも49ヶ所のツアーの最終日ということで+αの期待が高まる。

 

長野に少し早めに入り、善光寺でお参りを行い、コンサートに臨んだ。既にいかにもという感じの達郎ファン熟年カップルが相当たむろしている。グッズをまずチェック。白いTシャツと達郎クッキー(缶がなかなかいい)を購入し会場へ。いつものようにオールデイーズナンバーがBGMで流れている。(ラジオで言っていたが、こういったBGMもすべて彼の選曲とのこと)

 

1曲目 SPARKLEのギターカッテイングからスタート。いつものテレキャスターだ。少し前のギターマガジン特集で日本のトップ100ギタリストの一人に選ばれていたが、やはり彼のギターカッテイングの音色、切れ味はともに素晴らしい。リードギターをバリバリ弾くわけではないが、聞いている人は聞いているのだろう。(ちなみにギターマガジン№1は、当然のことながらChar

バックバンドはおなじみの佐橋佳幸、難波弘之、伊藤広規等、実力者で固められている。落ち着きがあり、自分の持ち場をわきまえ、でしゃばったところが全然ないところがいい。

 

演奏はMy Favorite Songである“潮騒”や“Get Back In Love”が続く。当中でアコーステイックセットもあった。おそらくGUILDのギター弾いていたと思う。またお決まりのアカペラコーナから怒涛のEndingへなだれ込む。(当然定番クッラカーもあり)ヒット曲を多数持っている強みか、まったく飽きることがない。(マッチのハイテイーンブギのセルフカバーはファンサービスか)

 

彼はしゃべりも好きというか上手なのでMCも飽きさせない。(私の連れは長すぎるのでやや辟易としていたが・・・)  FMのサンデーソングブック(毎週かかさずチェック)で鍛えたなめらかな口調だ。Endingはやはり予想通り竹内マリアがコーラスで出てきた。紹介もないので気が付かない人もいたようだが、千秋楽ライブは恒例とのことでやや得した気分。

 

ライブ終了後、街に繰り出し、余韻に浸りながら長野のおいしい郷土料理と地酒に舌鼓をうった。

 

セットリスト) 

  1. ポケット・ミュージック(Interlude)

  2. Sparkle

  3. いつか(Someday)

  4. メドレー(夏への扉~ドーナツ・ソング~ハンド・クラッピング・ルンバ~Willie And The Hand Jive~ドーナツ・ソング)

  5. 僕らの夏の夢

  6. 風の回廊

  7. Guilty

  8. Futari

  9. 潮騒

  10. ターナーの汽缶車

  11. It's Not Unusual

  12. The War Song

  13. So Much In Love

  14. Stand by me

  15. Joy To The World

  16. クリスマス・イブ

  17. メドレー(蒼氓~People Get ReadyBlowin' In The Wind~私たちの望むものは~希望という名の光~蒼氓)

  18. Get Back In Love

  19. メリー・ゴー・ラウンド

  20. Let’s Dance Baby

  21. 高気圧ガール

  22. Circus Town

(アンコール) 

  1. ハイティーン・ブギ

  2. Ride On Time

  3. Down Town

  4. Last Step

  5. Your Eyes

 

 

 

 


ポールは何度見てもいい!エンタテイメントの極致  by かきくのく

 

・日時 2017429日(土)

・場所 東京ドーム

 

2015年に続くポールのコンサートに、小学校時代の友人と見に行った。2年前が初ポールのライブ体験であったがすこぶる感動したため、またその感動を再び求めて行ってきた。

 

その前に話は横道にそれるが、ちょうど銀座でパテイボイドの写真展(皆ご存じのジョージの元奥さんでクラプトンが歌ったレイラのモデル)があったので、ビートルズつながりということで公演前に行ってきた。こじんまりした写真展であったが、ジョージやクラプトンは元よりミックジャガー、ロンウッドなども写真に納まっていた。何といっても若いころのクラプトンはかっこよすぎるね。あのたたずまいで口説かれるとジョージよりもクラプトンに走るよな、とか思いながら見てきた。

 

さてポール。お決まりのグッズ売り場へ。3日前のドウービのしょぼさに比べると雲泥の差。並ぶだけで40分ほど。グッズの種類も優に20種類近くあったか・・一目でポールとわかるTシャツをゲット。友人もTシャツとトレーナ購入。彼は歯医者であるが、これを着て診療するんだと嬉しそうにつぶやいた。

 

ステージセットは前回と同じ。大きなスクリーンにポールが縦長に映される。公演前のBGMがビートルズやポールの曲をDJ風にアレンジミックスした曲が延々とメドレーで流れる。これもまたなかなかいい。(市販されていないか?)

 

さあライブ開始。出だしはA Hard Day’s Nightでスタート。例のジャーンのイントロ(いまだ何のコードなのか不明)観客総立ち。おじさんたちはいきなりでしんどいが最後まで持つかと心配。途中のMCはいつものように日本語をしゃべる。ポールのエンターテイメント性、サービス精神が溢れている。楽曲はビートルズ、ソロ、WINGS等有名曲のオンパレード。ジョンやジョージの曲も間に挟む。前回も感心したのだが39曲結局演奏したが、ほとんど休まない。水分補給もしてないように見えた。さすが70過ぎてから子供ができるはずだと変な感心をした。(ドウービさん 少しはポールを見習ってよ!とまだ恨み節。彼らはポールの武道館公演を見に来てたとの情報もあり。それならなおさら・・・しつこいね。はい、おじさんはしつこいのである。)

 

今回のベスト選曲は個人的にはアコギで演ったand I love herか。みなが知ってる名バラード中のバラード、途中のEmからFmに転調する間奏もGood。あとはジョンにささげたHere Todayもしっぽりとしてよかった。今の奥さんにささげたMy Valentineも泣かせる。最後のアビーロードメドレーもお決まりであるが素晴らしい・・・うーん要はすべてが素晴らしい。これだけのヒット曲をもっている強みで、稀代のメロデイーメイカーぶりを最大限発揮。これだと誰も金返せとはいわないはず(その一方でドウービは・・もういいか)

 

大満足し友人と恵比寿の焼き鳥屋へ向かった。もちろん幼いころに聞き始めたビートルズ話に花が咲いた。

 

(セットリスト)

1. A Hard Day’s Night
2. Jet
3. Can’t Buy Me Love
4. Jnior’s Farm
5. Day Tripper
 
6. Let Me Roll It
7. I’ve Got a Feeling
8. My Valentine
9. Nineteen Hundred and Eighty-Five
10. Here, There and Everywhere
11. Maybe I’m Amazed
12. We Can Work It Out
13. In Spite of All the Danger
14. You Won’t See Me
 
15. Love Me Do
16. And I Love Her
17. Blackbird
18. Here Today
19. Queenie Eye
20. New
21. The Fool On The Fill
22. Lady Madonna
23. FourFiveSeconds
24. Eleanor Rigby
25. Being for the Benefit of Mr. Kite!
26. Something
27. Ob-La-Di, Ob-La-Da
28. Band on the Run
29. Back in the U.S.S.R.
30. Let It Be
31. Live and Let Die
32. Hey Jude

 

Encore:
33. Yesterday
34. Hi Hi Hi

35. I Saw Her Standing There
36. Helter Skelter
37. Golden Slumbers / Carry That Weight / The End

 


久々のDoobie兄弟を見た・・・、が・・・  by かきくのく

 

・日時 2017426日(水)

・場所 日本武道館
       

21年ぶりDoobieの武道館公演とのことで、バンドメンバそろい踏みで行ってきた。今回は金沢(なぜか?)東京、名古屋、大阪を回る予定とのこと。

 

会場に行く前に内幸町飯野ビルで一杯ひっかけ勢いをつけて、まずグッズ売り場へ。

 

「あのTシャツがええな」「バンダナを1枚かっとこか」とか言いながら並んだがほしいグッズはすでに売り切れ。売れ残った赤のやや小さめのMサイズTシャツをメンバがしぶしぶゲット。「小さかったらパジャマにしとく」と寂しく一言。いきなり出鼻をくじかれる。

 

いよいよ開演が近づく。

 

か 「一曲目なんやと思う」

く 「たぶんジーザスじゃないでしょうかね、場合によればRocking Down The Highwayかもしれませんね」

 

予想どおりオープニングはJesus is just alrightで二曲目がRocking Down The Highwayであった。ピンポン!あたっても何も出なかったが・・

 

フロントをトムジョンストン、パットシモンズ、ジョンマクフィーの3人で固めヒット曲を次々と演奏していく。ただ残念なのはツインドラムでない点。やはりドウービはツインドラムでやってほしい(コスト削減策か)。 ただトムもパットも声の衰えはない。コーラスワークもドウービ独特のハイトーンコーラスも決まっている。ただPAの関係かギターの音がいまいちさえないコスト削減か)。 ただキーボードにはあのビルペインがサポートメンバとして帯同(コストアップか)。思わず「デキシーチキンやってくれ!」「おいわれ、オーアトランタやらんかい!」と叫んでしまった関西出身の輩がいたようですが・・・

 

セットリスト17曲約1時間40分のステージだった。最近の大物アーテイストのライブの中ではやや物足りない内容であった。SouthCity, RoadAngelNobody、他やってほしい曲はたくさんあったのに・・残念。ただその中でもAnother Park, Another Sundayは秀逸であった(とわりDIMSのメインボーカルは感激のあまり落涙したとの情報あり)。
またマイクマドナルドいないにもかかわらず、Take it to the streetもパットのボーカルがさえていた。

 

アンコールはお決まりのlisten to the musicで締め。アンコールもややあっさりと終了。ドウービ、これではまた呼んでくれないぞ!と思いながら帰りに再度反省会と称して飲み屋に繰り出す我々だった・・

 

なお彼らはこの後米国でツアーがあるようだが、Chicagoとの対バンらしい。そのステージと同じセットリストだったら怒りまっせ!

 

 (セットリスト)

1. Jesus Is Just Alright
2. Rockin' Down the Highway
3. Take Me in Your Arms
4. Another park Another Sunday
5. Clear as the Driven Snow
6. Spirit
7. World Gone Crazy
8. Eyes of Silver
9. Dark Eyed Cajun Woman
10. Sweet Maxine
11. Takin' It to the Streets
12. The Doctor
13. Black Water
14. Long Train Runnin'
15. China Grove

 

Encore:

16. Without You
17. Listen to the Music

 


ボウイのたたずまいに痺れた「デビッドボウイ大回顧展」 by  かきくのく

 

・日時 2017年3月10日(金)

・場所 天王洲アイル
        

デビッドボウイが亡くなって早1年以上が過ぎた。ボウイの音楽とはやや距離を置いてきていた。理由はやはりグラムロック時代のあの奇抜なメイクや衣装にあまりなじめなかったからだ。(マークボランも同じ)ただ昨今のロックスターの訃報が続く中でボウイの取り扱いかたは他のアーテイストに比べ別格なのはご存じのとおり。「スターマン」を初めて聞いた時はいい曲ではあるがそれほどのめり込むアーテイストではないと横に放っておいた(なんと失礼な!)感じだ。そういうわけでほとんどアルバムを聴いてこなかったがなぜか「ジギースターダスト」(正式タイトルは思いっきり長かったな・・)と「Next Day」と最後の遺作「ブラックスター」は家にある。その時におや、なかなか深みのある音楽でいいのではないかと遅まきながら気が付いた(あんたそら遅すぎやで、と関西人がまたまたつぶやく)そんなわけで品川でやってる「デビッドボウイ展」を見てきた。

 

一言でいうと“時代/時代と共に姿・形を変え、常にその時代の先端を切り開き、音楽のみならずファッション、映画界にも多大なる痕跡を残した稀代のアーテイスト”と言えるのではないか。(一言にしては長いな!)そんな痕跡を体感できるのがこのボウイ展であった。受付でヘッドフォンを渡されコーナコーナでボウイの音楽や肉声のインタビューが流れてくる。ステージ衣装、自作曲の自筆歌詞カード、ライブ映像などがふんだんにデイスプレーされており、また山本寛斎のファッションや坂本龍一、たけしのインタビュー等日本との接点も随所に出てくる。確か京都が好きでたびたび訪れていたとの記事も目にしたことがある。(ボウイのあの顔を京都がなぜかマッチしている)ボウイのグッズコーナは当然のことながらすべてボウイで固められている。多数の女性客がそれらをながめ感傷にふけっていた。

 

帰りに渋谷のレコファンで安直ながら昨年リリースされたボウイのオールタイムベスト二枚組を買った。ベスト盤だけにさすがにいい楽曲がそろっているし、音楽性の変化を読み取ることができる。グラムロックの時代からプラステイックソウル、ベルリン3部作等これから時代を遡りボウイを聞いてみようと決めた。

 

 


渋谷で「かめ」と「硬い青」を見た by かきくのく

 

・日時 2017年2月11日(土)13:0016:30

・場所 原宿CROCODILE
        

ライブハウスの老舗クロコダイルで2バンドのライブを見た。老舗だけありライブハウスの空間に歴史がぎっしり詰め込まれており、開演前から胸が躍る。観客も立ち見が出るほどの盛況な入りであった。

 

1.かめバンド

CSNYトリビュートバンドである「かめバンド」(なぜカメなのか?バンドメンバにすっぽんというニックネームのメンバがいるからか・・)を2年ぶりに見た。
以前見たときよりバンドとしてのまとまりが数段向上しており、特にN.YOUNGCRAZY HORSEのテイストがプンプン匂ってきた。特にニアリーヤングのギターと、 ニアリー、ゼラチンナッシュ、スッポンステイルスのワイルドなコーラスがクレイジーホースばりの荒々しさを再現している。このバンドのカラーとしてしっかり定着してきてることなのだろう。
Alabamaから始まりCarry Onで締めくくったが、特に秀逸であったのはWooden Ships。ご本家なみにニアリーとスッポンがボーカルを分け合い、途中で倍乗りにリズムがチェンジするところも見せ場であった。またOut on the weekend~ケンメリメドレーは以前アコーステイックライブで一緒に演奏したことがあったが、観客は一瞬、キョトンとしていたようだ。ケンメリそのものを知らない観客が多かったせいか・・
ギターの弦切れやアンプの不調が発生したが、巧みなMCで乗り切っており、バンドとしての余裕を感じた時間であった。還暦過ぎてもCarry onし続けるとの力強い宣言でライブは終了。本日来ていた私たちより1-2世代若い観客に、彼らの演奏がどう映ったのか、聞いてみたいものだ。

 

2.Solid Blue

私と同じ会社出身メンバ6名+フロント3人の艶麗な女性陣しゅらんガールズ(漢字は聞いたが忘れた)の9人編成による大所帯バンド。(本来はあと2名ブラス隊が入るとのこと)彼らの印象を一言でいうと「これで飯食えるんじゃないの?」というくらい、クオリテイの高い演奏を聞かせてくれた。
まずバックのベースとドラムスがしっかりとリズムを刻む。ギターはそんなに出しゃばらずフロント3人をしっかりサポートする。時々決めるリードギターの音色はバンドカラーにしっかりマッチしている。ツインンキーボードもうまく分け合い、全体のバランスをよく保っていた。思い出したように横から出てくるSAXもいいフレーズを決めていた。
そんなしっかりした演奏に支えられ、フロント3人娘は気持ちよく歌う、踊る、シャウトする。3人がそれぞれリードボーカルを分け合い、3声コーラスが華を添える。特に感心したのは歌う時の目線の高さである。あの表情は余裕と訓練がなせる技か・・(あとで聞いたことによるとゴスペルで鍛えたとのこと。)
どの曲も素晴らしい内容であったが、特に感動したのはラストの「プラウドメアリ」 だ。マイク&テイナターナ版を下敷きにしたものと思われるがボーカル、コーラス、振り付け、演奏すべてにおいて素晴らしい出来であり、会場の盛り上がりも最高潮であった。年1-2回ペースでのライブとのこと。もっと色んなところで見たいバンドであった。

 


 元住吉 Powers2Featの幻影を見た! by かきくのく

  

・日時 2016年11月6日(日)19:0021:00

・場所 元住吉Powers2

 

カメバンド(ウエストコースト系Rockバンド)のベーシストゼラチンNASHさんと一緒に二俣川の怪しげな(失礼!こじんまりとしたいい音でした)ライブハウス「Someday」で知り合ったデヴィドHさんのバンドが出演するとのことで見に行ってきた。事前アナウンスメントではLittle Featをやらせたら右にでるものはいないとのふれこみ。楽しみだ・・

 

今日は4バンド共演とのことだが、お目当てのLittle FeatならぬLittle Cheatはしょっぱなの出番。事前にYouTubeの映像を少し見てきたがFeatのコピーをここまで追求しているバンドがいたことがまさに驚きだ。

ローエルジョージならぬロートルジョージは例の白のつなぎジーンズで登場。髭の具合といい、背格好、声質、スライドギターの音色など、まさにローエルジョージそのもの。完全になりきっていた。(ローエルが生きていたらああいう白いひげになっていたのではないかと妄想がふくらむ)Dixie Chicken, Fat man in the Bathtub, Rocket In My Pocket等ライブの定番が続く。

ポールバレル役のH氏もいぶし銀のギターを披露。正確なギターとボーカルがさえる。以前見たときはオベーション片手にCSNYを軽々とやっていたがエレキのほうがより似合っている感じだ。Skin It Backはアコギ版を以前聞いた。そちらもよかったが、やはりエレクトリック版のほうがFeatそのもの。

紅一点の女性ボーカルの院長先生(この人も二俣川で見た)もパーカッションとコーラスで花を添える。再結成後のショーンマーフィー役ってことか。ラストに歌ったWillinはしっぽりと聞かせてくれた。

 

ライブ終了後、H氏と少し会話。将来はWaiting For Columbusのライブをすべて再現したいとのこと。かなり意欲的な取り組みであるが、彼らの実力であればそう遠くないうちに実現することだろう。(ただしデラックスエデイションがリリースされ曲数が増えたと頭を抱えていたが・・その瞳の奥は無邪気に笑っていた)

 

 

 


 還暦Live !  NANIWA EXPRESS by かきくのに

  

・日時 2016年10月29日(土)21:0022:30

・場所 billboard Tokyo

  

またまた違うジャンルの音楽で恐縮ですが、私の好きなジャンルのひとつ、フュージョンのライブレポートです。

80年代のフュージョン全盛期、関東のカシオペアやスクエアと一線を画す関西出身のバンドとして、強烈な個性と圧倒的技術で一世を風靡したNANIWA EXPRESS5人のメンバーのうち、ピアノ&サックスの青柳誠を除く4人(B:清水興、G:岩見和彦、Dr:東原力哉、Key:中村建治)が還暦という今年、東京のbillboardでライブをやるというので、古くからの大ファンの私としては居ても立ってもいられず、既に社会人になった2人の息子たちを誘って見てきました。

息子たちは、長男がベース、次男がギターと、別に私がけしかけたわけでもないのに知らない間に音楽に染まったのですが、一流のミュージシャンが、一流のライブハウスで演奏するのを見たことがなかったこともあり、いそいそと付いてきました。

知る人ぞ知るこのバンド、東原力哉という私が世界一崇拝するドラマーを擁し、単に耳障りの言いメロディアスなサウンドとは一味も二味も違う何かを持っています。何故彼のドラミングが好きかというと、やや人格破綻かとも思われるその強烈な個性、信じられないようなテクニックとグルーヴ、それに時にゾクッとするような繊細な音を聞かせてくれる、その引き出しの多さが理由でしょうね。ドラムセットをあのように操れたら、あの楽器はもはや太鼓ではありません。

そんな彼らも、我がかきくの先輩達と同様、還暦を迎えたわけですが、その演奏、ライブパフォーマンスは、まったく衰えていませんでした。

今年亡くなったグレンフライ、プリンスなどのように、ナニワのメンバーも誰かはいつか鬼籍に入るんでしょうが、それまではずっと、今回のような素晴らしいライブを続けて欲しいなと思います。

 

 


 Dylanのノーベル賞受賞を聞き今年の春のライブを思いおこしてみた by かきくのく

  

・日時 2016年4月28日(金)19:0021:30

・場所 パシフィコ横浜

  

少し不謹慎であるがグレンフライのこともあり、いつ次に見ることができるのかわからなかったので、横浜でDylanを見た。前回見たのはもう20年ほど前のトムペテー&ハートブレイカーズがバックを務めた大阪公演以来か・・Dylanも年を取ったが私も年をとったなと変な感慨にふける。

 

開演前にまずグッズチェック。ローリングサンダーレビュー当時の顔をプリントした黒のDylanTシャツをゲット。またDylanのアルバムジャケットをすべてシールにしアルミ缶に詰めたグッズもゲット。これはなかなかいい。この時点ですでに満足。

 

さあライブのほうだ。BGMがない。客層は当然のことながら年配者が多いが、その中でもやけに欧米系外人が多い。いきなりアコギの伴奏でThings Have Changedが始まる。事前情報で聞いてはいたが音が無茶苦茶いい。近年のアルバムからとシナトラカバーをあわせたアメリカンスタンダードをたっぷり聞かせてくれた。特に驚いたのはギターを持っていない。中央になぜか3本のマイクがおいてありその前で歌う。例のケロケロ声だ。時折ピョコピョコと跳ねる。本人はステップを踏んでるつもりだろうが、どうみてもピョコピョコジャンプにしか見えない。(声がケロケロで踊りがピョコピョコってどういうつもりか?)そして改めて思った。“Dylanって歌こんなにうまかったのだ!”  声はケロケロになったがそれと楽曲がマッチし何とも言えぬ枯れた味を出していた。ラストの曲はJazzスタンダードの枯葉であり、アンコールは風に吹かれてとLove Sick

 


 1週間に8日分愛する!”ビートルズオフィシャル映画”鑑賞レポート by かきくのく

 

・日時 2016924日(土)

 

今回はライブとは異なるがビートルズ“Let It Be”以来のオフィシャル映像が上映されたので早速見てきた。そういえばLet It Beを中学生のころ、何回見たことだろうか・・ロードショーに続き名画座でもウッドストックやイージライダーと一緒に何度も上映されたので繰り返し見た。ポールがバンドを仕切る中、ジョンもジョージも不機嫌そうに付き合っている寒々しい光景が印象的であった。このあたりが未だDVDにならない理由か・・早く未発表映像を含めリリースしてほしいものだ。

 

さて本題の話に戻る。本映像はビートルズがまだライブ活動を行っていた1963年から1966年のわずか4年間のライブ映像中心にその時代背景の紹介やライブ活動停止後の活動にも触れられており、なかなか楽しめた。一言でいうならばビートルズのバンドとしての勢いの凄さとジョンとポールのボーカリストとしての力量が半端ではないということか。今のようにモニターもない環境に加え、女性ファンの歓声でまともに演奏は聞こえなかったはず。かなり修正を加えているとはいえ、演奏、コーラス等さすが超一級のライブバンドの姿が楽しめる。またジョンやポールの歌うのが楽しくて仕方ないといった無邪気な表情に心が和む。

 

ライブ活動を中止した後の映像も流れるがジョンの顔かたちの変化が最も印象的だ。わずか1~2年の差であそこまで別人になれるのはどういう理由か・・髪型やメガネの他にドラッグやYokoとの出会いの影響もあるだろう。アップルのルーフトップセッションのDon’t let me downのシャウトに心が震えた。(斉藤和義がこの映像をぱくったずっと好きだったを思わず思い出した:見ていない人は一度見てみてください 笑えます)つくづく残念に思うのはジョンがもし生きていたら、何かのきっかけでポールと二人で歌う姿をもう一度見ることができたのではないかというのはあまりにはかない夢か・・

 


曙橋で鷲を見た !?

サンセットライダース”  ライブレポート by かきくのく

 

・日時 201695日(月)19:3022:00

 ・場所 バックインタウン 新宿 曙橋

 

昔からEaglesのみのコピーを行うプロ集団。グレンフライ役のギター、ドンヘンリー役のドラマー、ランデイマイズナー兼テイモシーシュミット役のベーシスト、バーニーレドン兼ジョーウオルシュ兼ドンフェルダー役のギタリストの4人組。4人がリードボーカルをとれる強みはご本家と同じ。

 

今日はかきくブラザーズ全員でライブ研究を兼ねて行ってきた。場所は新宿・曙橋。アコーステイック系ライブハウスとして有名な場所だ。マイク真木や黒澤久雄、PPM/キングストントリオ関連のコピーバンドが多数出演している。わが大学の先輩であるエクスキャリバーズも定期的にライブを行っており常に満員御礼とのこと。いつかはここでやりたいとの思いが募る。

 

ライブ前に腹ごしらえ。ピザ、パスタ、ハムどれも美味でお酒が進む。始まるまでにカベルネソーヴィニオンを1本あけ、ほろ酔い気分でいざ観戦。前回、銀座Rocky Topで見たときはアコーステイックセットであったが今日は会場も広いためエレクトリックセットの編成のようだ。ギブソン33512弦ギター、マンドリンさらにはステイールギターまで置いてある。

 

Wasted timeのオケをバックにメンバ登場。出だしはHollywood Waltzからスタート。以前見たときはSaturday Nightからスタートしたが3拍子で始まる曲でオープニングを飾るのが彼らの流儀か。悪くない出だしだ。続いてTequila SunriseからIn The Cityへと続く。音響はもう少し押し出しが強くてもいいのかとの印象。前半のハイライトはEaglesもライブではめったに演らなかったVictim of loveか。この歌は実質Don Felderが作者と言われており、リードボーカルも本人がとりたかったようだがDon Henryが歌ったバージョンのほうがはるかに出来栄えがよく差し替えられたとのこと。不遇な扱いはこの頃から生まれていたようだ。(注)ドンフェルダーは再結成後のEaglesから解雇されたがその後裁判で勝訴し、今もバンドからの収入を得ているとのこと。また11月には来日しライブ演奏を見せてくれる予定。

 

第二部の出だしは待ってましたHotel Californiaからスタート。12弦ギターが美しいアルペジオを刻む。途中ステイールギターをフィーチャしたBest Of My LoveLong Runをはさみ著名曲が続く。後半ハイライトは個人的にはジョーウオルシュのLife’s been goodか。ギターのアドリブがさえている。最後はアコギでのDesperado。アコギバージョンも悪くない。(わがバンドでもトライしたい)アンコールはJDサウザーのHow Longを軽快に演奏し終了。

 

やはりプロ集団。それぞれのパートを正確に分担し、歌もみなうまい。特にEaglesの心臓部であるハイトーンのコーラスワークが絶妙だ。当たり前だが音は外さない。大いに学ぶべきポイント。

ライブ終了後ジョーウオルシュ役のギタリストと少し会話。Eagles自身がライブでやっていない曲を演奏してほしいとリクエスト。たとえばSad CafeとかYou never cry like a loverあたりどう?と問うと、Sad Cafeはやろうとしたけどムニャムニャ・・やはりあの曲は彼らをしても難しいのか・・Dollin Dalton Repriseも出たがあれは海賊版で音源が残っており、また我々も取り組んでいる真っ最中。My Manもせっかくステイールギターあるならやってほしい曲の1つだったが・・

 

曙橋バックインタウンの雰囲気やスペースは素晴らしい。いつかはここで演奏したいとの思いが強まり帰路につく。

 

 


”パンチブラザーズ” ライブレポート by かきくのく 

 

・日時 201684日(木)第一部 18:3019:40

 ・場所 ブルーノート東京 

 

“インサイドルーウインデイビス”の映像を見て以来、パンチブラザーズに興味を持つようになった。“another day, another time”のライブ映像や後追いで旧譜CDをチェック、またクリスシールの前のバンド“ニッケルクリーク”の音源までさかのぼり、このブルーグラスの枠を超えたバンド周辺をわりと熱心に聴くようになった。そのバンドが日本に来るということで早速行ってきた。 

 

ブルーノート東京は表参道から徒歩8分のところにある。久々に表参道の駅を降りた。やはり街の空気、たたずまいがくやしいが違う。(何がくやしいんや?)店構えはもちろんのこと歩いている人の服装までこじゃれている。子供までおしゃれだ。根津美術館の脇を通り抜けると店の手前で“うーーん?誰か見たことあるな?”とおぼしき人物とすれ違う。なんとパンチのベーシストポールコートだ。人違いと思っていたらライブの際、同じ服を着ていた。寡黙な好青年の印象だ。 

 

さてブルーノートに到着、すでに店が開く前に何人かが列をなしていた。見るからに一目瞭然ブルーグラス/カントリー系やってまっせという輩が多数。こちらは仕事帰りのさえないクールビズ。すでにこの時点で負けている。(何に負けたんや?) 

 

整理券と引き換えいざ会場へ。自由席19番。自由席ゾーンがいくつかあるがステージ前のかぶりつき特等席に自由席ゾーンがあり、もちろんそこで席を確保。ステージ真下、マイクまで3メートル、ステージの足元のセットリストの紙の文字まで見ることができる。(曲数を数えると12曲、事前情報どおりでアンコール1曲か・・)さっそくハイネッケンとコヤリイカのフリットをオーダ。 

 

18:30きっかりにバンドが登場。中央に置いた1本のマイクのみ。5人がそのマイクを囲み演奏開始。リーダのクリスシールは飛ぶように歌い、マンドリンを弾く。後の4人は動かない。自分のソロの時にやおらマイクに近づく。演奏に徹する。ひと世代前のブルーグラスといえばカウボーイハットをかぶり陽気な表情で歌い演奏するイメージだがこのバンドは違う。無表情。クリス以外は難しい顔をしたまま表情を崩さない。ただしかし、上手い!まさに超絶テクニックとはこのことか。クリスのマンドリンはものすごく繊細。コードポジションも複雑怪奇。よく歌いながら弾けるなと口あんぐり。ただ一度だけ曲の途中にピックを落下。プロでもこういうこともあるのかと安心(誰と比べとるんや?)。クリスのマンドリンに話題が集中気味だが、ほかの4人も兎に角上手い。特にそれぞれの楽器がソロのパートの時以外はでしゃばらない。バックに徹する。時折効果的な“おかず”をいれるだけ。リズムは当然狂わない。プロとアマの決定的な違いはこのリズム感か。演奏はこうありたい。時折ベースのポールが引く低音の弦奏法がアクセントになっている。コーラスは基本3声。時折5人で歌う。5人の時はどういう構成なのか気になる。ブルーグラスの枠を超え、ロック、プログレ、クラシック等様々な要素を取り入れたアメリカーナというカテゴリーか。 

 

一部ステージはあっという間に終了。さすがに13曲はあっという間。二部は入れ替え制のため後ろ髪思い切りひかれながらブルーノートを後にした。もちろん帰りの電車の中では最近やっと日本版がリリースされたThe-Phosphorescent-Blues(邦題:燐光ブルース)を聞きながら帰路に就いた。彼らはこのままオーストラリアにツアーに行くようだ。